ネットワーク管理システム(NMS:Network Management System)は、ネットワークの各構成要素をネットワークエンジニアが管理できるようにするためのソフトウェア群を指す。(続きはページの末尾にあります)
スイスの通信事業者がNokiaのサービスを活用し、スイス全土に300台のドローンを配備する。配備したドローンをどのように活用する計画なのか。
従業員が常時ネットワークに接続するようになり、ITインフラの安定性やパフォーマンスが企業の成長において一段と重要になっている。建材メーカーのEtexが取り組んだネットワークの改善内容とは。
クラウドサービスの利用拡大による回線逼迫に直面した北里研究所は、解決策としてネットワーク構成を見直し、回線を「Colt IP Access」に刷新した。その成果とは。
酒類メーカーAB InBevは、事業の変革を進めるために必要なネットワークを構築した。従業員のコミュニケーションを支えるインフラは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の基礎となる。
1000校以上の教育機関を対象に、1Gbps以上の高速回線を整備する英国政府。高速データ通信の手段を手にした教育機関では、どのような変化が起きているのか。
英国政府はコストを抑制して高速通信を普及させるために、水道と通信のインフラを併用する計画を打ち出している。これは賢い選択と言えるのだろうか。
英国は高速通信を国内に行き渡らせるために、水道管を使って光ファイバーを敷設することを計画している。一見変わったこの計画を打ち出した英国が抱える事情とは。
英国の乳製品メーカーYeo Valleyは光ファイバーによるネットワークを導入し、高速通信ができるインフラを築いた。これまで銅線の電話回線を使っていた同社が、ネットワークの置き換えを決めた背景は。
ランサムウェアによる攻撃を受けたMerck & Co.が事後の改善策として選んだのは、意外にもネットワークの構成や運用を自動化する「ネットワーク自動化」だった。その狙いとは。
ニューハンプシャー大学は学生寮のネットワークを有線LANから無線LANへ移行した。その際に直面したのが、無線LANのパフォーマンスの問題だ。どのようにして解決したのか。
製品化が進む40ギガビット/100ギガビットイーサネット。登場したばかりの40ギガビット/100ギガビットイーサネット製品をどう選ぶべきか、その指針を示す。
二重通信コンフリクトの原因特定作業を経験したことがないなどというネットワーク管理者はほとんどいないだろう。この問題は、対処するのは難しくないが、問題そのものを特定し、局所化するのは途方もなく難しい。
オートノミックと言っても、高度な分析をしてくれるわけではない。現状では、ネットの問題解決は結局技術者の肩に掛かっている。
NMSは有線、無線を問わず、スイッチやルーターといったネットワーク機器の構成や監視、更新、トラブルシューティングを実行する。ネットワーク機器から収集したデータを表示し、必要に応じてネットワークエンジニアが設定を変更できるようにする。
ネットワークベンダーは、自社製ネットワーク機器のデータを他のシステムから利用可能にするために、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)やネットワークプロトコルの「NetFlow」を利用する。NetFlowを開発したのは、ネットワークベンダーのCisco Systemsだ。NetFlowを実装したルーターは、データの転送量やデータの送信先のIPアドレス、送信元のポート番号などのデータをNMSに送信できる。
NMSを使うと、ネットワークエンジニアは以下の管理作業を効率化できる。
ネットワーク機器から、挙動に関わるデータを収集する。ネットワークエンジニアはこれらのデータを基に、ネットワーク機器が正しく動作しているかどうかを判断できる。
特定のネットワーク機器と通信するデバイスを検出する。ネットワーク機器自体がそのデバイスを認識しているかどうかや、各デバイスが正しく設定されているかどうかを確認できる。
帯域幅(回線容量)の使用率やパケット損失、遅延、可用性、稼働時間といった、稼働状況を示すデータを追跡する。
ネットワーク機器に障害が発生したときや、発生する前にアラートを発する。
NMSソフトウェアはAPIやNetFlowを通して、さまざまなネットワーク機器を管理できる。初期のNMSソフトウェアは、管理対象を同じベンダーが製造したネットワーク機器に制限することが珍しくなかった。ネットワークが複数ベンダーのネットワーク機器を組み合わせた仕組みに変化するにつれて、こうした制限はほとんどなくなった。
ユーザー企業はNMSソフトウェアをオンプレミスの専用サーバにインストールして利用することも、NMSのクラウドサービスを利用することもできる。オンプレミスであれば、ユーザー企業は自社の目的に合わせて、ソフトウェアを制御したり、機能をカスタマイズしたりすることが可能になる。ただしNMSソフトウェアを社内で運用するには、IT部門のスタッフやハードウェアが追加で必要になる可能性がある。NMSソフトウェアやハードウェアが古くなれば、アップグレードや交換の必要も生じる。
NMSのクラウドサービスを利用すれば、初期投資や維持管理のコストを抑えられる。ただしベンダーのデータセンターで障害が発生すると、NMSのクラウドサービスが利用できなくなる。
ネットワーク機器のベンダー各社は、自社製品へのオープン技術の採用を進めている。その結果、ユーザー企業は単一のNMSソフトウェアで、さまざまなベンダーのネットワーク機器を制御したり、複数種類のネットワーク機器に対して同一の管理機能を利用したりできるようになった。