「生成AI」のノウハウ、賢い使い方のヒント

ユーザー企業のIT担当者を対象に、IT製品/サービスの導入・購買に役立つ情報を提供する無料の会員制メディア「TechTargetジャパン」。このコンテンツでは、生成AIに関する運用&Tipsの記事を紹介します。製品/サービス選定の参考にご覧ください(リンク先のページはPR記事を含みます)。

生成AIとは何か

動画で解説 AI技術によるコンテンツ生成の長所と短所


 生成AI(ジェネレーティブAI)は、テキストや画像、音声など、さまざまな種類のコンテンツを生成できるAI(人工知能)技術の一種だ。(続きはページの末尾にあります)

生成AI関連の運用&Tips

生成AIを“遊び”で終わらせない 本格活用を成功させる「2つの施策」とは

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(2025/7/18)

AIは人間の代替ではない――IT企業が実践する“共存戦略”とは

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(2025/7/10)

AIと対話を重ねる「プロンプトチェーニング」実践術 役立つ業務は?

AIモデルに望ましい回答を効率的に出力させるためにプロンプトを分割するのが「プロンプトチェーニング」だ。プロンプトチェーニングの実践方法や、業務における具体的な応用例を紹介する。

(2025/3/14)

AIと対話を重ねる「プロンプトチェーニング」 5つの効果と4つの課題

AIモデルに望ましい回答を効率的に出力させるプロンプトを作るための技術に「プロンプトチェーニング」がある。プロンプトチェーニングを使うメリットや、使うに当たっての課題を紹介する。

(2025/3/13)

“生成AIのデータ漏えい”はこうして起こる 防止策5選

生成AIは業務のさまざまな場面で使われている。しかしその使い方を誤れば、勤務先の機密情報や個人情報が漏えいしてしまう恐れがある。データ漏えいが発生するのはどのような場面なのか。漏えいを防ぐための対策とは。

(2025/2/28)

ただプロンプトを作るだけじゃない プロンプトエンジニアの3つ役割

プロンプトエンジニアは、生成AIに望ましい回答を出力させるプロンプトを作成する職種だ。その具体的な役割を3つ紹介する。

(2025/2/20)

生成AIのデータ漏えいを「しない」「させない」対策5選

生成AIは業務のさまざまな場面で使われている。しかし使い方を誤れば、機密情報や個人情報が漏えいするリスクもある。漏えいを防ぐための対策を5つ紹介する。

(2025/2/19)

“生成AIのデータ漏えい”はこうして起こる よくある6つの事例

生成AIの使い方を誤れば、機密情報や個人情報が漏えいするリスクがある。データ漏えいが発生するのはどのような場面なのか。6つの例を紹介する。

(2025/2/18)

今からでも遅くない 生成AI導入で“結果を出す”ための条件

生成AIの業務活用が盛んだ。一方、AI技術の導入や運用に二の足を踏む企業がある。今からAI活用を進めて得られる効果はどの程度なのか。顧客体験の向上のためにAI技術を活用する場合、注意すべき点は何か。

(2025/1/31)

生成AIを「使いこなす部門」と「傍観する“あの部門”」のそれぞれの事情

ビジネスにおける生成AI実装は着実に進んでおり、日常業務に欠かせない存在となりつつある。2024年、生成AIの導入はどの程度進んだのか。特定の部門で導入が遅れている理由とは。

(2024/12/19)

【5分で解説】“生成AI競争”「Google・OpenAI・イーロンの思惑」まとめ

生成AIの開発競争が激化している。Googleは最新鋭の生成AI「Gemini」、対するOpenAIは動画生成AI「Sora」を発表して話題をさらった。他方、契約内容を巡ってマスク氏がOpenAIを提訴する事態も起きた。混とんとする業界動向をまとめた。

(2024/3/28)

生成AIはセキュリティ製品も駆逐する? 「Copilot for Security」登場で変わる常識

Microsoftは生成AIセキュリティツール「Copilot for Security」の一般提供を開始する。従来のセキュリティ製品と何が違うのか。

(2024/3/18)

イーロン・マスク氏が生成AI「Grok」をオープン化する“語られない狙い”

イーロン・マスク氏が、生成AI技術を活用したチャットbot「Grok」をオープンソースで提供する方針を明らかにした。背景にはOpenAIへの恨みがあるようだが、もう一つの狙いを指摘する向きもある。

(2024/3/14)

Adobeが「PDFリーダー」に生成AI “時短”につながる「Acrobat」の新機能とは

Adobeは、「Acrobat」に生成AIによる対話型エンジンを追加した。文書内検索や文書要約にどのようなメリットがあるのか。

(2024/2/26)

なぜ、GoogleはノートPCでも実行可能なAIモデル「Gemma」を発表したのか

Googleが発表した「Gemma」は、オープンソースのAIモデルだ。「Gemini」の開発と同じ技術を使用しているが、例えば「Gemini 1.5 Ultra」と比較するとサイズは小さい。開発の背景には何があるのか。

(2024/2/26)

生成AIの「完璧な文」に隠れている何か変な“違和感”の正体

AIモデルが生成したコンテンツは、一見人すると間が作成したかのようだ。どのようなポイントに注意すればAI製だと見分けることができるのか。

(2024/2/24)

弱点は何か? OpenAIの“1分映像”生成AI「Sora」に抱く疑問

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(2024/2/19)

生成AIが書いた「きれいな文」に混入する“AIのわずかな痕跡”はこれだ

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(2024/2/17)

Web会議で「何を話したっけ?」 会話履歴から答える「Otter」新機能は役立つのか

複数のWeb会議ツールの会話履歴を横断して、ユーザーの質問に答える「Meeting GenAI」を、Otter.aiが発表した。AIアシスタント「Microsoft Copilot」やZoomのユーザーを取り込む狙いがあるが、課題も抱える。

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「生成AI」対「AIコンテンツ検出ツール」 勝ったのはどっち?

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(2024/2/10)

生成AIはどう進化しているのか 「ChatGPT」「Dall-E」「Bard」の違いとは

 生成AIの進化で重要な役割を果たしたのが、深層学習技術の「Transformer」だ。Transformerによって、研究者は学習データにあらかじめラベルを付ける必要がない教師なし学習で、より大規模なモデルを訓練できるようになった。何十億ページ分にも上るテキストを新しいAIモデルに学習させることで、より正確かつ詳細な答えを導き出すことができる。

 TransformerはAttentionという機構によって、1文ごとの文章だけでなく、複数のページや章、本にわたる単語間の関係を計算することを可能にしている。要素同士の関係性を計算するTransformerの能力によって、言葉だけでなくソースコードやタンパク質、化学物質、DNA(デオキシリボ核酸)を分析することができる。

 何十億個、何兆個ものパラメーターを持つ大規模言語モデル(LLM)の急速な進歩は、生成AIモデルが即座に魅力的な文章を書いたり、写実的な画像を描いたりできる新しい時代を到来させた。複数の種類の情報を同時に処理する「マルチモーダルAI」の登場で、ユーザーはテキストや画像、音声など、複数のメディアを組み合わせてコンテンツを生成できるようになった。OpenAIの画像生成サービス「Dall-E」は、マルチモーダルAIの一つだ。Dall-Eはテキストの説明から画像を自動的に作成したり、画像からテキストのキャプションを生成したりする。

 生成AIの進化はまだ初期の段階だ。そのため入力したプロンプト(指示)に対して奇妙な答えを返すこともある。しかし生成AIの能力は、企業のIT活用の方法を劇的に変える可能性がある。今後生成AIは、ソースコードの記述や新薬の設計、製品の開発、業務プロセスの再設計、サプライチェーンの変革に利用できるようになると考えられる。

生成AIはどのように機能するのか?

 生成AIは、ユーザーがテキストや画像、動画、デザイン、音符などの形式でプロンプトを入力することで、データ処理を始める。そしてプロンプトを基に新しいコンテンツを出力する。出力できるコンテンツには、文章や問題の解決策、画像、音声などがある。

 初期の生成AIは、データを送信するためにAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)やその他の複雑なプロセスを必要とした。OpenAIの「ChatGPT」やGoogleの「Bard」など新たに登場した主要な生成AIサービスでは、ユーザーが自然言語で簡単なプロンプトを入力することで結果を得られるようになっている。やりとりの過程でフィードバックを送信することで、生成結果にユーザーの希望を反映させることもできる。

生成AIモデル

 生成AIモデルは、さまざまなAIアルゴリズムを組み合わせてコンテンツを表現し、処理する。こうした技術は学習データに含まれる偏見や人種差別、誇大広告に基づいた処理結果を出力してしまう可能性がある点に注意が必要だ。

 生成AIに使われているAIモデルの具体例として、Googleの「BERT」(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)やDeepMind Technologies(現Google DeepMind)が開発した「Google AlphaFold」、OpenAIの「GPT」などが挙げられる。

ChatGPT、Dall-E、Bardの比較

 主な生成AIサービスとして、ChatGPTやDall-E、Bardがある。

  • ChatGPT

 OpenAIが手掛けるChatGPTは、AIモデルとして「GPT-3.5」を利用している。GPT-3.5によって、ChatGPTはユーザーインタフェースのチャット機能を通してユーザーと対話したり、やり取りの中で回答を微調整したりすることを可能にしている。2023年3月14日に、同社は新バージョンの「GPT-4」を発表した。

 ChatGPTは、ユーザーとの会話履歴を出力結果に組み込む。これによって人間同士の実際の会話のような体験ができることが特徴だ。ChatGPTの登場に合わせて、MicrosoftはOpenAIへの大規模な投資を発表し、GPT-4を同社の検索エンジン「Bing」に組み込んだ。

  • Dall-E

 Dall-Eは、画像とそれに関連するテキスト説明を含む大規模なデータセットで訓練されている。視覚やテキストなど複数の表現方法の間で関連性を識別できる、マルチモーダルAIの一例だ。Dall-Eは言葉の意味を基に画像を生成する。Dall-E 2は、より高性能な2番目のバージョンで、2022年にリリースされた。ユーザーのプロンプトによって複数のスタイルでイメージを生成することができる。

  • Bard

 Googleもまた、言語やタンパク質の構造、その他の種類の情報を処理するAIモデルを擁する先駆者である。同社は自社で開発したAIモデルの一部を、研究者向けにオープンソース化して提供している。これらのAIモデルを利用した一般消費者向けのチャットbotサービスは、しばらく発表しなかった。

 MicrosoftがBingにGPTを実装するという決定を下した後、GoogleはLLMの「LaMDA」ファミリーの軽量版をベースにした一般向けチャットbot「Google Bard」の開発を急いだ。

 Bardは、「初めて太陽系外に惑星を発見したのはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡である」という間違った回答を表示したため、同サービスの提供を急いだGoogleの株価が大幅に下落した。MicrosoftがBingにChatGPTを実装した際にも出力結果の不正確さや不安定な動作が見られ、初期の段階でユーザーの期待を薄れさせた。

 Googleはその後、同社の新しいLLMである「PaLM 2」を組み込んだBardの新バージョンを発表した。Bardはアップデートによって、ユーザーが入力した質問に対して、画像を含んだ回答やユーザーの需要に合わせた回答ができるようになった。