新携帯電話プラットフォームは「破滅をもたらす」のか、企業のIT部門に取り入られるのか。
GoogleのAndroidプラットフォームは、対応携帯電話が登場する前から既に注目を集め、そしてセキュリティ問題を浮上させている。
コンピュータセキュリティ企業のF-Secureはブログで、Googleの同プラットフォームに関するオープンな姿勢が携帯電話のセキュリティに破滅をもたらすかもしれないと予想した。
F-Secureの最高研究責任者、ミッコ・ヒッポネン氏は「誰かが書いた署名のない未知のアプリケーションが電話機能にフルアクセスできるとしたら、問題が起きるかもしれない」と話す。
ヒッポネン氏は特に、Androidのページに記された1文に着目している。「アプリケーションは通話やテキストメッセージ送信、カメラ利用といった電話のあらゆる中核機能を呼び出すことができる」というくだりだ。
Googleは、Androidのセキュリティ措置について解説したページも作成している。その大部分はインストールと認証に関連した説明になっているが、安全性が真に試されるのは、Androidを利用したモバイル端末が実際に発売され、一般に普及してからだ。
「Android携帯」やAndroidのプラットフォームが市場でヒットするかどうかはまだ分からないと専門家は言う。Googleは、確立されている携帯電話大手の本陣に外部から切り込んで現行モデルを覆そうとしているのだ。
調査会社iSuppliの上級アナリスト、フランシス・シデコ氏は、Androidの将来的な市場シェアを現時点で推計しても単なる憶測にしかならないと話す。
「Androidとともに発足したOpen Handset Alliance(OHA)からどのような製品が出てくるか、各社がまずどこをターゲットとするかが分かるまで、推定することさえ不可能だ」と同氏。
シデコ氏によると、AppleがiPhoneを発売したことで、Googleが携帯電話会社やメーカーを説得して参加を促し、対抗製品を開発する機会が開けた。このプラットフォームが成功すれば、「iPhone対抗のために利用できる生態系あるいは開発環境を形成できる潜在的可能性」を提供できる可能性があると同氏は言う。
現在のOHA参加企業は、エンタープライズ向けの端末よりも、コンシューマー向けの携帯電話を開発する公算が大きそうだとシデコ氏は見る。そうだとしても、企業のIT部門は端末が発売された直後から対応を迫られることになりそうだ。
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