iPhoneでは既に攻撃につながる脆弱性が発見されており、企業ユーザーと個人ユーザーの両方がブラウザベースの攻撃のターゲットになる恐れがあるという。
ユーザーは長い間、自分の携帯端末はトロイの木馬やボットネットのような脅威とは無縁だと信じてきたが、ジョージア工科大学の最近の調査報告書は、こういった状況がもうすぐ変わる可能性があると警告している。それどころか、モバイルセキュリティ脅威の“第一波”は既に到来しているのだ。
「Emerging Cyber Threats Report for 2009」(2009年の新たなサイバー脅威:PDF文書)と題された報告書の作成に携わったジョージア工科大学コンピュータサイエンス学部のパトリック・トレイナー助教授は「この報告書では将来の脅威に目を向けた」と述べている。トレイナー氏によると、目の前に脅威が差し迫っているわけではないが、将来の危険を軽減するためには、業界と政府が事前予防的な方針で臨む必要があるという。
既に最新の2つのモバイルプラットフォーム(AppleのiPhoneとGoogleのAndroid)で脆弱性が発見された。いずれも、デスクトップPCで非常に一般的な攻撃につながる脆弱性に類似したものだ。これらはブラウザベースの攻撃で、トレイナー氏によると、企業ユーザーと個人ユーザーの両方がターゲットになる恐れがあるという。
「ブラウザはデスクトップのコントロールを手に入れる手段となった」と同氏は指摘する。プラットフォームの統合と標準化が進む一方で、携帯端末用ブラウザが複雑化するのに伴い、デスクトップを攻撃するのと同じ手法が、携帯端末を狙う悪質なハッカーに広い攻撃範囲と大きな成果をもたらすようになるだろう。同氏の推定では、既にモバイルウイルスの侵入は1日当たり10万件も発生している。多くのウイルスはBluetoothなどの無線データ接続を通じて感染を広げる。PCの場合とは異なり、被害を受けた携帯端末のユーザーは最初にサービスプロバイダーに連絡して対策を求めることが多い。
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