2008年10月21日 07時30分 公開
特集/連載

携帯版のマルウェアを食い止めるには複数の予防線を張ろう

ソフトの購入予算や携帯端末管理上の障壁を理由に携帯マルウェア対策を怠っていないだろうか。ここでは専用ソフトを使わない対策方法を紹介する。

[Lisa Phifer,TechTarget]

 PDAやスマートフォンに関するウイルス対策プログラムには、基本的にはノートPCのベストプラクティスを適用する。しかし、会社の資産を携帯マルウェアから守る方法はほかにも多数ある。補完的な防御措置として、携帯マルウェア遮断機能を取り入れたエンタープライズ同期サーバ、ネットワークゲートウェイ、無線サービスなどがある。

経験から学ぶ

 Win32マルウェアとの10年越しの戦いで、PCに常駐するウイルススパイウェア検出ツールやスパムフィッシング対策フィルタは必要ではあるが運用は効率的ではないことが分かってきた。こうしたプログラムや定義ファイルを最新の状態に保つことは、時間と戦いながらの面倒な雑務となっている。

 もちろん、こうしたPC常駐型のスキャナやフィルタがなくなったわけではない。しかしほとんどの企業は現在、サーバベースとネットワークエッジのウイルス対策/スパム対策ソリューションでこれをカバーしている。こうした措置を付加することで、マルウェアがデスクトップPC/ノートPCに到達する前に大半を食い止め、ITコントロールを強化し、ユーザーの生産性を高めて感染リスクを抑えることが可能になる。

 幸いなことに、PDAやスマートフォンはエンタープライズサーバおよびネットワークの防御措置を活用するのに適している。無線接続の高速化と普及に伴い、ほとんどの携帯マルウェアは「空気を伝わって」届き、企業のメールサーバやアプリケーションゲートウェイ、リモートアクセス管理機器を通過する。こうしたエンタープライズ指向プラットフォームは、集中管理型の携帯マルウェア対策を適用する絶好のチャンスをもたらしてくれる。

 既にMicrosoft Exchange ServerやLotus Notes、SMTPサーバでスパムメールやフィッシング詐欺メールを遮断している企業の場合、携帯端末で送受信するメールにも同じ手段を適用できる。携帯端末を利用している従業員に対してこのセキュアな経路を使ったメールチェックを義務付け、会社の防御経路を通らない私用のPOP/IMAPメールにアクセスするのは控えさせたり、あるいは積極的に遮断する。

 Webプロキシ、ファイアウォールUTM(統合脅威管理)プラットフォームを使ってリスクの高いWeb活動(例えばフィッシングサイト閲覧、スパイウェアのダウンロードなど)を防いでいる企業の場合、モバイルブラウザのプロキシルールやVPNトンネルを使い、端末のWebトラフィックをすべて、同じコントロールポイントにリダイレクトする。ここでも目標は、携帯ユーザーの無防備なWeb閲覧を通じて会社がトラブルに巻き込まれるのを食い止めることだ。

 トラフィック工学の観点から見ると、こうした解決方法は最善の策ではない。携帯端末のメールとWebのトラフィックがすべて会社のネットワークを通過すれば、帯域幅消費とレイテンシ(遅延時間)は増える。また、現代のネットワーク/サーバ用ウイルス検出ツールでは、モバイルのみを狙ったウイルスは検出できない可能性もある。とはいえ、こうしたアプローチによって携帯マルウェアの大部分に対抗でき、携帯向けの対策ソフト購入やインストール、メンテナンスの必要もない。

外に目を向ける

 一方、エンタープライズサーバやネットワークセキュリティプラットフォームには手が届かない中小企業も多い。しかし、ISPや携帯電話会社が提供するホスティング型電子メールサービス付属のフィッシング対策フィルタならば全ユーザーが(コンシューマー個人でさえも)利用できる。実際にはこうした外部のマルウェア対策サービスの方が、幅広い保護を提供してくれることもある。

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