仮想環境だからといって、物理環境同様セキュリティ対策の手を緩めていいわけではない。仮想OS上で実現するセキュリティ対策について、具体的にはどのようなものであり、導入時の注意点とは何か、述べていこう。
前編「仮想環境のセキュリティにまつわる誤解を解く」では、仮想化製品の最近の動向や基本的な構造、仮想環境でのセキュリティ対策の必要性について説明した。後編の今回は、仮想OS上で実現するセキュリティ対策について具体例や注意点を説明し、今後の展望にも触れたい。
前編で簡単に説明したが、仮想OSに適用すべきセキュリティ対策は、物理マシンにインストールしたOSが必要とするセキュリティ対策と変わることはない。例えば、仮想環境である/ないにかかわらず、サーバOSに適用すべきセキュリティ対策は以下の3点が挙げられる。
1の具体例は、「Webサービスの利用予定がないWindowsサーバOSでは、IIS(Internet Information Services)をインストールしない」といったものだ。動作するコンポーネントを極力減らすことで、脆弱性の発生を抑え、攻撃可能なポイントを与えずに済ませられる。
2の具体例は、「Linuxの機能として提供される『SELinux』や『AppArmor』などを利用してセキュリティ対策を強化する」といったものである。最近のOSには高度なセキュリティ対策機能が搭載されているので、それらを有効に利用しない手はない。
3に関して、不正プログラム対策などのセキュリティ対策ソフトを導入せずにOSを利用するケースは、もはやほとんど見られなくなった。ただし、仮想OSにセキュリティ対策ソフトを導入する際には1点、注意していただきたいことがある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
クラウドとオンプレミス、セキュリティ面でどちらが優れているかという議論は絶えない。クラウドのセキュリティはオンプレミスよりも劣っているのか。クラウドセキュリティの基礎と併せて解説する。
生成AIを支える大規模言語モデル(LLM)は、DDoS攻撃やプロンプトインジェクション、不正出力の誘導などさまざまな脅威にさらされている。利用時に押さえておきたい「LLMの10大脅威」と、その対策を解説する。
北里研究所は、Web会議やクラウドサービス利用の拡大に伴う回線逼迫に対処するため、新たなネットワーク構成を導入した。併せて適切なセキュリティ対策も講じている。通信最適化の具体的な手法と導入による効果とは。
「ファイアウォール」の仕組みはどれも同じではなく、幾つかの種類に分類できる。いまさら聞きづらいその仕組みを、ファイルアウォールの種類別に解説する。
「ファイアウォール」のいまさら聞けない基礎知識 その役割、運用方法は?
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...