もし仮想OSが狙われたら――セキュリティ脅威対策の具体像仮想環境におけるセキュリティ対策【後編】

仮想環境だからといって、物理環境同様セキュリティ対策の手を緩めていいわけではない。仮想OS上で実現するセキュリティ対策について、具体的にはどのようなものであり、導入時の注意点とは何か、述べていこう。

2008年12月17日 08時00分 公開
[船越洋明,トレンドマイクロ]

 前編「仮想環境のセキュリティにまつわる誤解を解く」では、仮想化製品の最近の動向や基本的な構造、仮想環境でのセキュリティ対策の必要性について説明した。後編の今回は、仮想OS上で実現するセキュリティ対策について具体例や注意点を説明し、今後の展望にも触れたい。

仮想OSへのセキュリティ対策とは

 前編で簡単に説明したが、仮想OSに適用すべきセキュリティ対策は、物理マシンにインストールしたOSが必要とするセキュリティ対策と変わることはない。例えば、仮想環境である/ないにかかわらず、サーバOSに適用すべきセキュリティ対策は以下の3点が挙げられる。

  1. 必要のないコンポーネントはインストールしない
  2. OSに搭載されているセキュリティ対策機能を活用する
  3. セキュリティ対策ソフトを導入する

 1の具体例は、「Webサービスの利用予定がないWindowsサーバOSでは、IIS(Internet Information Services)をインストールしない」といったものだ。動作するコンポーネントを極力減らすことで、脆弱性の発生を抑え、攻撃可能なポイントを与えずに済ませられる。

 2の具体例は、「Linuxの機能として提供される『SELinux』や『AppArmor』などを利用してセキュリティ対策を強化する」といったものである。最近のOSには高度なセキュリティ対策機能が搭載されているので、それらを有効に利用しない手はない。

 3に関して、不正プログラム対策などのセキュリティ対策ソフトを導入せずにOSを利用するケースは、もはやほとんど見られなくなった。ただし、仮想OSにセキュリティ対策ソフトを導入する際には1点、注意していただきたいことがある。

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