状況に応じて効率よくIT資産を活用する上で、運用自動化ツールが注目を集めている。そのメリットを最大化するための導入・活用のポイントを、3つのホワイトペーパーに探る。
仮想化、クラウドコンピューティングの浸透が進み、企業のITインフラは複雑化している。一方で、“経営に寄与する攻めのIT活用”が求められ、IT部門は運用管理の効率向上と品質担保の板挟みに遭っている状態だ。この課題にIT部門はどう対応すればよいのだろうか? 運用の効率・品質向上のポイントが分かるホワイトペーパーを紹介する。
運用管理コストの削減とITサービス品質の向上を両立させるITサービスマネジメントの8つのプロセス改善
「品質の向上にはコストが掛かる」「コストを削減すると品質が下がる」といった具合に、システム運用管理において、品質とコストは一見、トレードオフの関係にあるように思える。だが、KPIを定めて運用管理の在り方をモニタリングし、その結果を受けて継続的改善を図る「ITサービスマネジメント」によって、品質とコスト削減を両立できると説くのがこのホワイトペーパーだ。
特に品質については、「運用スタッフのスキルレベルの不均衡によって、提供されるITサービスの品質にバラつきが生じる」という考えから、スキルの底上げを考える企業が多い。だがそうした考え方では、スキルのある人材を確保したり教育に投資したりと、かえってコストの増大を招きやすい。そこで運用管理のベストプラクティス集であるITILにならって、運用管理の体制やプロセスから見直すことを勧めている。
具体的には、どのようなITサービスをどのように提供するかを策定する「サービスストラテジ」、可用性管理などを計画する「サービスデザイン」、構成管理プロセスなどを考える「サービストランジション」、インシデント対応の在り方を見直す「サービスオペレーション」という4つのポイントを紹介。それぞれの解説を通じて品質向上、コスト削減を両立する方法をシスマティックに説いている。現在の運用管理体制の根本的な問題を発見するための良質なヒントになるのではないだろうか。
IT部門の人材が削減される傾向にある中、運用管理の品質と効率を向上せる手段として、運用自動化が注目を集めている。だが運用管理業務は非常に多岐にわたる。その点、本ホワイトペーパーは「どの作業を、どのように自動化すると、どのようなメリットが得られるのか」、自動化すべき10のポイントとその効用を具体的に解説している。
重要なのは、自動化の前提として「運用プロセスの標準化」が必要なことを指摘している点だ。アプリケーション、物理/仮想サーバ、データベース、ネットワークなど、管理対象となるIT資産は増え続けている。これにスタッフの増員で対処しても限界があるばかりか、1人1人の属人化したノウハウに頼ることになり、運用管理の品質を担保することが難しい。だが標準化した運用プロセスがあれば、一貫性のある安定した管理が可能になる。さらにプロセスを自動化すれば、人的ミスもなくなり管理効率が大幅に向上するというわけだ。
本ホワイトペーパーでは、「インシデントおよびアラート発生時の対応の自動化」「反復的なメンテナンス手順を自動化」など、自動化すべきポイントを分かりやすくまとめている。こうした“自動化の勘所”を自社のシステム運用管理の課題に照らして考えてみることで、新たな効率化のポイントを発見できるのではないだろうか。
本ホワイトペーパーは、日立製作所がユーザー企業4社を招き、運用自動化の有効活用について議論した座談会のリポートだ。日立情報システム、損保ジャパン、第一生命、富国生命の情報システム部の部課長クラスの出席者が、自社の自動化導入経験に基づいて、運用管理のコスト削減、品質向上にどう役立つのか、その可能性を探っている。
ポイントは、本ホワイトペーパーが2010年1月と、まさしく自動化が注目され始めた時期のレポートである点だ。当時、自動化はまだ“先進的”、場合によっては“非現実的”ともいえた。だが多くの企業が検討段階に入った今は、参加者らの言葉に共感を覚える向きも多いのではないだろうか
特に注目すべきは、「臨機応変なアクションが求められる障害対応は、あまり自動化したくない」「どこまで自動化するのかという見極めが重要」など、自動化を成功させるポイントを、“導入企業の実感”としてつかめる点だ。教科書的にまとめられた導入事例も多い中、自動化に対する“本音”を紹介した本ホワイトペーパーは、多くの企業にとって貴重な資料になるはずだ。
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などクラウドに関するホワイトペーパーを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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