スマートフォンやタブレット向けのモバイルアプリケーションを業務でも活用しようとする企業が増えている。だが、ネイティブアプリか、Webアプリにするかなど、悩みどころは多い。5つのヒントを紹介する。
スマートフォンやタブレットの繁栄にはモバイルアプリが大きく貢献してきた。多くの企業は今、独自のモバイルアプリの開発にますます関心を示している。
モバイルアプリを開発すれば社員の生産性が高まる可能性があり、多くの企業にとって時間と資金を投入する価値がある。これまでは難しくて時間のかかっていた業務プロセスが、モバイルアプリを使えば数分あるいは数秒で完了できるようになるかもしれない。ただ、アプリにはそれぞれ難点もある。企業としては、コストを掛けてネイティブアプリを開発するのか、機能の一部を犠牲にしてWebアプリの作成で妥協するのか、予算を考慮して検討する必要がある。
モバイルアプリ開発の世界になじみがない読者や、どんな選択肢があるか知りたい読者には、以下のFAQが役に立つだろう。
モバイルアプリ開発では、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で動作するソフトウェアを作成する。iPhoneの加速度センサーのような端末固有の機能を利用するモバイルアプリを作成することもある。特定の端末のネイティブアプリを開発する場合、コードはその端末専用になるということだ。
ネイティブなモバイルアプリを開発する場合の短所は、そのコードを別のOSで再利用できないことだ。例えば、Android端末専用に作成したネイティブアプリのコードはWindows Phoneには使えない。これに対し、ブラウザベースのアプリケーションは端末に依存しないことが多いので、さまざまな端末のモバイルブラウザで動作する。
端末専用のアプリストアから多種多様なモバイルアプリを入手できるが、企業で使用する場合は社内専用の独自のアプリを作成する方が良いだろう。バックエンドシステムの制約のせいで多大な時間がかかる業務プロセスも、モバイルアプリを開発することで数秒で済めば、従業員の仕事は楽になる。
モバイルアプリを開発する際には、考慮すべき重要事項が幾つかある。ユーザーがアプリに何を求めているかを明確にすること。開発者ができることを把握しておくこと。私物のモバイル端末を持ち込んで使うのか、会社から端末を支給するのか決めておくこと。そして、どのOSをサポートするか決めておくことだ。
モバイルアプリ開発に掛かる費用も調べておく必要がある。会社のニーズを満たすアプリが既に販売されていないかも確かめておこう。既成のアプリが完璧でないとしても、ニーズに合わせてカスタマイズできることも多い。アプリの社内開発は、独自性の高い業務プロセスの効率化には有効だが、既成アプリを大量購入して使う方が安上がりで簡単な場合もある。アプリの導入後にユーザーの意見を聞き、どうすれば改良できるか考えればよい。
ネイティブモバイルアプリを開発する場合、複数のOSで動作するようにするには、同じアプリをOSごとに何度も作り直さねばならない。とはいえ、特定の端末の機能を利用できるという理由でネイティブアプリを選ぶ企業も多い。これに対し、HTML5、CSS3、JavaScriptなどのWebベースのプラットフォーム用にモバイルアプリを開発する方が、大抵は短期間で安上がりに済むし、1つのアプリを作るだけで異なるモバイルプラットフォームに対応できる。ただし、Webアプリではネイティブアプリと違って端末固有の機能は使えない。
もう1つの選択肢として、ハイブリッドモバイルアプリを開発するという方法もある。Webアプリとネイティブアプリのいいところを組み合わせたアプリだ。ただ、この場合はパフォーマンスの問題が発生する心配がある。また、HTML5を完全にサポートしているモバイルブラウザはないので、ハイブリッドアプリではさまざまな端末に十分対応しきれない可能性もある。
まず、HTML5に対応したアプリを作成し、それからネイティブ端末用ラッパーをかぶせる。HTML5のベースはネイティブアプリコンテナの内部で実行させ、ブラウザそのものではなく各端末のブラウザエンジンを使用してローカルにデータをレンダリングして処理させる。HTML5のベースはさまざまなモバイルOSで再利用でき、それには各OS専用のラッパーをかぶせるだけでいい。米Appceleratorなどから、そうしたラッパーを自動生成する製品も出ている。また、ハイブリッドモバイルアプリを作成しておけば、後で書き直さずにそのままHTML5のモバイルWebアプリにすることも可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。
なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...
業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...