Windows 8の製品展開に失敗したMicrosoftは、既にWindows 9に軸足を移しているとうわさされている。だが、Windows 9が登場するころには、OSのアップグレードよりも効果的な選択肢が増えているかもしれない。
90年代の半ば、Microsoftは「Where do you want to go today?」(今日はどこに行きますか?)と銘打った広告キャンペーンを展開していた。今では新しいバージョンのWindowsがカード大の機器に搭載されるようになり、2014年に就任したCEOが、現在はクラウドコンピューティングと複数のIT環境を使い分ける時代だと主張している。ただ、同社はもはやデスクトップ市場を支配しているとはいえない。この状況で、次のWindowsに明るい未来は待っているのだろうか。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 8月20日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
Microsoftは既に、Windowsの次期メジャーアップグレード、コードネーム「Threshold」に軸足を移しているといううわさがある。この製品が世に出れば、新しいCEOであるサトヤ・ナデラ氏は再び注目を浴びることだろう。
PCの売り上げ減少に歯止めがかからず、かつてMicrosoftの天下だったデスクトップソフトウェアもiOSとAndroidの成功に浸食されている今、Microsoftは同社にとってのWindowsの意味を再検討することを余儀なくされている。
本誌Computer Weeklyで既報(訳注)の通り、最新のPCにはWindows 8が搭載されているが、これまでのところ企業ユーザーの反応は今一つだ。2014年前半にWindows XPのメーカーサポートが終了したとき、多くの企業は代わりのOSとして、最新のWindows 8ではなく1つ前のバージョンであるWindows 7を選択した。
訳注:別冊Computer Weekly Windows Phone/タブレットの逆襲
MicrosoftはノートPCやデスクトップのユーザーの関心を取り戻すため、Windows 8に「スタート」ボタンを復活させた。しかしユーザーから大きな反響を得ることはなかった。そのボタンが戻ってきたところで、Windows 8のUIがタッチデバイス向けに最適化されているという印象は大して変わらなかったからだ。
ノートPCを使うビジネスユーザーはMicrosoftに対して、Windows 7のルック&フィールの方が好ましいとメッセージを送っている格好だが、Microsoftはいまだにユーザーが期待していた「スタート」メニューは(Windows 8では)復活させていない。Windows 8.1のUpdate 2は2014年後半の公開と予想される。一部のリポートによると、同社は事実上Windows 8の改良を諦め、Thresholdを完全に新しいOS「Windows 9」としてリリースする意向のようだ。
その新しいOSは、インストールするデバイスの性質によってルック&フィールが変わると予測されている。デスクトップPCにインストールした場合は、従来のWindows 7の「スタート」メニューが表示される。だがタブレット端末やいわゆる「2-in-1デバイス」(タブレットとしても使えるノートPC)では、タッチデバイスに最適化したUIが表示される、ということだ。
ナデラ氏は、企業ユーザーとコンシューマーの間で、それぞれのニーズのバランスに配慮しなければならない。Microsoftは今後、SQL Server、多様なコンピューティング環境、そしてクラウドを優先すると同氏が公言しているところからみて、同社は方向転換を図っているようだ。
確かにMicrosoftは新たな課題に直面している。現在のビジネスユーザーは、昔のようにとにかく同社製品を購入する、という様子ではない。米Googleは、クラウドベースのエンタープライズ製品の開発を着実に継続している。また、ブラウザベースのSoftware as a Service(SaaS)製品、例えば米Salesforce.comのSalesforce.comなどを利用する場合は、特定のOSを選択する意義は以前よりも薄くなる。
筆者は2014年3月にナデラ氏と話す機会があり、同氏はソフトウェア事業に対する意気込みを聞かせてくれた。当時、同氏は次のように語っていた。
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 8月6日号:RAIDはもういらない
Computer Weekly日本語版 7月16日号:Windows 8をめぐる中国 vs. Microsoft
Computer Weekly日本語版 7月2日号:クラウドの専門家による4つの警告
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
カスタマーサービスのサイロ化、問題解決の長時間化などの課題が顕在化している今、CXを変革する方法として、生成AIと自動化が注目されている。これらを活用することで、顧客満足度や問題解決時間はどう変わるのか、3つの実例から探る。
企業の生産性を向上させるためには、従業員が快適に働ける環境作りが重要になる。そこで参考にしてほしいのが、サイボウズが導入している「PCの従業員選択制」だ。業務用の端末を従業員が自由に選べることによる効果を紹介する。
Windows Server 2025は、セキュリティや可用性の向上に加え、Active Directory不要のワークグループ環境でもフェールオーバーとHyper-Vによるライブマイグレーションを実現した。Windows Server 2025が備える特長を詳しく解説する。
企業ITの複雑化が加速する中、安定運用とセキュリティリスク低減を図るため、マネージドサービスの採用が拡大している。本資料では、コンサルティング支援からシステム設計・構築、運用までを包括的にサポートするサービスを紹介する。
地図情報を提供するゼンリンでは、約4000台のPCを運用しており、15年ほど前から、PCレンタルサービスを活用。それによりトータルコスト・情シス部門の運用負荷の軽減で大きな成果を挙げている。
生成AI時代のPCの選び方 価格だけでは見えない「AI PC」の価値とは (2025/5/15)
デザイン性も機能性も“インカム越え”? 進化した接客用連絡ツールの特徴は? (2025/4/14)
「PoCをした企業」がほぼ導入するアプリケーション監視の新たな解決策 (2025/4/8)
DX推進に向かうにはまず守りの業務の改善から (2025/3/6)
企業のIDを内外から狙う攻撃が急増 ID漏えいを前提とした対策が必要な時代に (2025/3/3)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...