意外にセキュリティは甘い? データベースのデータ保護に不安を感じる理由データベースセキュリティツールは必須なのか(前編)

企業のデータセンターに保存されているデータの保護において、データベースセキュリティツールが重要な役割を果たす理由について説明する。

2015年07月08日 15時00分 公開
[Adrian LaneTechTarget]
photo 外部公開サーバとデータベースのセキュリティ対策の違い(TechTargetジャパン「ベネッセ事件でも標的に 『データベース』からの情報漏えい対策3カ条」より)《クリックで拡大》

 データベースのセキュリティは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)ベンダーの領分だと考えられがちである。RDBMSベンダーは、RDBMSプラットフォームの専門家だ。理論的には、自社データベースを保護する頼れる製品の提供元となる。しかし実際は、RDBMSベンダーはデータベースセキュリティの一部分を担っているにすぎない。

 リレーショナルデータベースプラットフォームには、幾つかの重要なセキュリティ機能が組み込まれている。一般的なのは「ID管理」「アクセス制御」「ネットワーク通信の暗号化」である。だが、「ユーザーアクティビティの監視」「SQLインジェクション攻撃からの保護」「脆弱性の評価」など、多くの重要なサービスが用意されていない。また、提供されている機能自体が適切でない場合もある。例えば、データベースが生成する監査証跡には、コンプライアンスリポートに必要な情報が含まれていないことが多い。また、組み込みの暗号化機能は処理速度が非常に遅く、統合には不向きなことが少なくない。

データベースセキュリティの死角

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