2019年06月07日 05時00分 公開
特集/連載

従来のセキュリティ対策が通用しない時代全てを疑う「ゼロトラスト」でネットワークを保護すべき5つの理由

クラウドや私物端末の利用が広がり、ネットワークの境界が崩壊しつつある。こうした中、重要性が高まっているのが「ゼロトラスト」に基づくネットワークセキュリティの実現だ。その主要な5つの理由を解説する。

[Peter Loshin,TechTarget]
画像

 「ゼロトラスト」は、単なるセキュリティ分野のバズワード(流行語)のように思えるかもしれない。だがゼロトラストアプローチをネットワークセキュリティに取り入れる動きは、企業の間で着実に広がっている。

 インターネットの草創期、ネットワークセキュリティの専門家は、ネットワークの防御を表現する言葉として中世の用語を取り入れた。「要塞(ようさい)ホスト」(bastion host:踏み台ホスト)や「境界」「ファイアウォール」「ゲートウェイ」は、どれもネットワークの防御に関係する用語だ。当時のネットワークインフラはシンプルだったため、企業はホストを「社内にある信頼できるもの」と「社外にある信頼できないもの」の2種類に分類できた。

 しかし世界は変わった。昔は、社内にいるユーザーは「信頼された従業員」、社外から企業のリソースにアクセスするユーザーは「信頼できない人」と見なされていた。現在、リソースへのアクセスは社内外の両方から可能になり、そのユーザーも多岐にわたるようになった。従業員や消費者、下請け業者、ベンダーなど、信頼できる第三者と信頼できない第三者が存在する。加えてBYOD(私物端末の業務利用)やパブリッククラウドサービス、リモートワークの普及により、ネットワークアクセスの安全性はファイアウォールなどのセキュリティゲートウェイに任せておけなくなったのが実情だ。

「ゼロトラスト」が広がる理由

 ネットワークセキュリティが複雑になる中、この状況に対処すべく、調査会社Forrester Researchのアナリストが2009年に発案したのが、何も信頼しないことを基本とするセキュリティ概念「ゼロトラスト」だ。Googleがゼロトラストに基づくセキュリティのフレームワーク(方法論)「BeyondCorp」を提唱し、自社で採用したことにより、この考え方が人々の間に広まった。

 ゼロトラストに基づくネットワークセキュリティ対策を導入する動きが広がっている理由は、次の通りだ。

理由1.ネットワーク境界保護が役に立たなくなった

 企業がファイアウォールと要塞化したネットワークの内側に、全てのデジタル資産を配置しても、安全とはいえない。承認済みのユーザーや攻撃者は、ダイヤルアップ接続とファイアウォールの例外を使用して境界保護を回避できる。企業はクラウドサービスやBYODといった手段を導入し、従業員や顧客、下請け業者、ベンダーなど信頼できる第三者が、社内LANのリソースにアクセスできるようにしている。この動きは勢いを強めており、課題は増すばかりだ。ゼロトラストアプローチを導入すると、アクセス権の状態をフラットにできるため、企業はより安全にアクセスを許可できるようになる。

理由2.信頼レベルが過去のアクセスに依存しなくなった

ITmedia マーケティング新着記事

news112.jpg

「メルカリハイ」の謎を解く――4人に1人が100円以下の利益でもフリマアプリに出品
なぜ人は100円以下の少額利益でもフリマアプリに出品してしまうのか。謎を解く鍵は「承認...

news049.jpg

買い物場所の使い分け調査2019――日本能率協会総合研究所
コンビニエンスストア、ドラッグストア、100円ショップなど業態別利用実態と「そこで買う...

news060.jpg

セブン&アイが自社にデータドリブンカルチャーを醸成するために使う「Tableau Blueprint」とは?
データドリブン組織を実現するための標準的な計画手順、推奨事項、ガイドラインをまとめ...