米国の投資会社はMcAfee EnterpriseとFireEyeを統合した。4万社以上のユーザー企業を抱えることになった新会社は今後、どのようなハードルを乗り越えなければいけないのか。
投資会社Symphony Technology Group(STG)は2021年9月30日(米国時間)、FireEyeの製品事業を買収し、2021年7月にSTGが買収したMcAfee Enterprise(McAfeeの法人向け事業部門)と統合することを発表した。新会社のCEO(最高経営責任者)にはFireEyeのエグゼクティブバイスプレジデントだったブライアン・パルマ氏が、CFO(最高財務責任者)にはRiverbed TechnologyのCFOだったイアン・ハリファックス氏が就任した。
今回の統合によって、新会社はMcAfee EnterpriseとFireEyeのそれぞれの製品とサービスを組み合わせ、オンプレミスのインフラとクラウドサービスで企業のシステムを攻撃から守る幅広いポートフォリオの提供を目指す。STGは2社の統合を発表した際、「4万社以上のユーザー企業と約5000人の従業員を抱え、年間で約20億ドルの売り上げを持つセキュリティ業界のリーダーが誕生する」と説明した。今後、新会社のIPO(新規株式公開)も視野に入れ、事業成長を加速させるという。
セキュリティ業界の専門家は、McAfee EnterpriseとFireEyeの統合について課題もあると指摘する。米TechTarget傘下の調査会社ESG(Enterprise Strategy Group)のシニアアナリスト、ダグ・ケイヒル氏は「McAfee EnterpriseとFireEyeはそれぞれ強いブランド力を持ち、それがユーザー企業からの支持につながっている」と言う。一方でケイヒル氏は統合を踏まえた今後の方針について「ユーザー企業との綿密なコミュニケーションが欠かせない」と述べる。
調査会社Informa Tech(Omdiaの名称で事業展開)のプリンシパルアナリスト、エリック・パリゾ氏は「成長に向けて2社の強みをどう生かすか」が最大の課題になると言う。パリゾ氏によると、McAfee EnterpriseとFireEyeの製品は複数の分野で重複する恐れがある。エンドポイントのマルウェア感染を防止するEPP(Endpoint Protection Platform)や感染を検出して対策を講じるEDR(Endpoint Detection and Response)、ネットワークセキュリティといった分野だ。過去に競合関係にあった組織を円滑に連携させるための工夫も、統合を成功させる上での鍵を握ると同氏は言う。
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