Column
ネットワーク管理者のためのディザスタリカバリ計画チェックリスト
いざというときのために、日ごろチェックしておくべきポイントを、ネットワークに絞ってまとめた。
ここでは、ネットワークプロフェッショナルがディザスタリカバリ計画の要素を的確に把握し、検討するのに役立つチェックリストをお届けしよう。このチェックリストはネットワーク全般、LAN、WAN、ネットワークインフラ・アプリケーションの4つの分野に分かれている。
ネットワーク全般
- ディザスタリカバリ(DR)計画を準備するにあたっては、「部分的な障害」を忘れずに考慮に入れる。例えば、インターネット回線が48時間ダウンしているが、ほかのサービスはすべて機能している、といった場合にどう備えるか。ディザスタ発生時に、プライマリデータセンターが必ず完全に停止するとは限らない。
- ネットワーク図を作成し、ネットワークデバイスを洗い出す。これらのデバイスは、どれくらいの重要度があるか。会社の業務とインフラの重要度を見極めるビジネスインパクト分析では、どのように評価されるか。
- DRネットワークを持っている場合、それは現行ネットワークとどの程度異なっているか。災害発生時の負荷に対応できるか。
- DRネットワークの適切なネットワークドキュメントを整備しているか。災害発生時には誰もが動揺する。適切なドキュメントを持っているかどうかが、ディザスタリカバリの成否を左右する場合がある。
- DR計画をどの程度の頻度でテストしているか。
- 実ネットワークについて適切な弾力性を考慮に入れているか。二重電源、冗長ネットワークパス、冗長回線の整備といった方策が考えられる。これらによってネットワークの弾力性を確保しておけば、災害自体を未然に回避できる可能性がある。
- 災害時の音声通信をどうするか。VoIPを使っているか。
- 新しいネットワーク機器を導入したりネットワークに変更を加えた場合に、DR計画の更新プロセスを行う。これにより、常に最新のネットワーク構成に対応したDR計画を維持できる。
- DR機器についてもほかのネットワーク機器と同様に、必ずタイムリーにパッチを当てて更新する。
- 災害発生時でもネットワークセキュリティについて忘れてはならない。エンドユーザーは緊急時にはウイルス対策ソフトウェアにまで気が回らないだろう。管理者が24時間働いてDRネットワークを稼働させても、ウイルスのせいでダウンしてしまっては元も子もない。ユーザーがセキュリティに配慮することは期待できないため、管理者が配慮しなければならない。
LAN
- DR LANネットワークは実ネットワークと比べてどの程度異なっているか。実ネットワークでCatalyst 6500スイッチを使っていて、DRネットワークでCatalyst 2950スイッチを採用している場合、DRネットワークで実ネットワークと同じ通信量を処理しようとしてはならない。障害を招くことになるからだ。
- DR LANネットワークと実ネットワークのパイプ(Ethernetリンク)は同じサイズか。
- すべてのデバイスのネットワーク構成ファイルをバックアップしているか。
WAN
- DR WANネットワークは実ネットワークと比べてどの程度異なっているか。
- 帯域幅とQoS設定は同じか。
- DRネットワークのスループットをチェックするために何らかのテストを実施しているか。
- DRルータは実ルータと同等のスループットを提供できるか。
- 大惨事の際にユーザーがどのようにDRネットワークにアクセスするようにするか。ルーティングやDNSをどうするか。
- DRネットワークは、プライマリネットワークと同等のセキュリティが確保されているか。ファイアウォール、アンチウイルス対策、IPS(侵入防止システム)、インターネットDMZ(非武装地帯)のそれぞれについてどうか。
- DRネットワークのインターネットアクセス環境は、プライマリネットワークと同じか。コンテンツフィルタリングなどのインターネットセキュリティアドオン、プロキシサーバ、キャッシングサーバのそれぞれについてどうか。
- WANプロバイダーも被災した場合に備えてどんな手を打つか。DR WANを別のキャリアを通じて確保することが考えられるほか、単にDRサイトについて別のキャリアのPOP(Point of Presence:アクセスポイント)を利用する手もある。
ネットワークインフラ・アプリケーション
- DR計画にDHCPサーバが含まれているか。
- DR計画にDNSサーバが含まれているか。
- DR計画にそのほかの重要なネットワークサービス、例えばWINS、FTP、Windows AD(Active Directory)などが含まれているか。
- 動作するために特定のネットワークサービスを必要とするネットワークデバイスがあるか。例えば、ワイズのWintermデバイスの一部は、DHCPを使用し、TFTPサーバから自身の構成ファイルをダウンロードする。こうした比較的重要性が低いサービスも考慮に入れなければならない。これらを軽視するとツケが回ってくることが多いからだ。
- ネットワークで、これらのほかにどんなネットワークインフラ・アプリケーションが使われているか。それらはDR計画に網羅されているか。
注意していただきたいのは、以上は、ITディザスタリカバリ計画の完全なチェックリストではないということだ。このリストはDRのネットワークに関する部分しかカバーしていない。つまり、このチェックリストは、ネットワークのディザスタリカバリをどう実現するかを考えているネットワークプロフェッショナルのためのものなのである。
本稿筆者のデビッド・デイビス氏は、IT業界で15年間働いている。現在、非上場の小売会社でシステム/ネットワーク管理部門を統括しており、余暇にIT関連の執筆を行っている。これまでに50本以上の記事、8つのプラクティステスト、3つのビデオ講座を執筆し、共著書が1冊ある。保有資格には、CCIE(シスコ認定インターネットワークエキスパート)#9369、CWNA(認定無線ネットワークアドミニストレーター)、MCSE(マイクロソフト認定システムエンジニア)、CISSP(公認情報システムセキュリティプロフェッショナル)、Linux+、CEH(認定倫理的ハッカー)などがある。
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