Windows VistaはWindows XPよりもずっとセキュアなOSだが、この優秀なセキュリティが既知の互換性問題の多くの原因にもなっている。
企業ユーザーがWindows Vistaへのアップグレードを見合わせている主な理由の1つは、このOSが多くの一般的なアプリケーションに対してかなり深刻な互換性問題を抱えているとされていることだ。
読者はこれまでに、Windows Vistaは従来版のWindowsよりもはるかにセキュアだという宣伝文句を耳にしたことがあるだろう。事実、Windows VistaはWindows XPよりもずっとセキュアなOSだ。しかし残念ながら、セキュリティはもろ刃の剣になることもあるのだ。Windows Vistaの新しいセキュリティ機能は、悪党たちを寄せ付けないという点ではなかなか優秀なのだが、既知の互換性問題の多くの原因にもなっている。
こうした問題の多くは、ユーザーアカウント制御(UAC)と呼ばれるセキュリティ機能に起因するものだ。UACの目的は、ユーザーが管理者の許可なしにシステムに特定の変更を加えるのを防ぐことにある。これがWindows Vistaで問題になるのは、Windows XPではユーザーがワークステーションを操作する上でほとんど制約がないからだ。実際、ソフトウェアベンダーは何年もの間、こういった制約のない環境でアプリケーションが実行される前提でソフトウェアを設計してきたのだ。
しかしWindows Vistaのセキュリティ機能の仕組みにより、一般にアプリケーションには、それを実行するユーザーと同じ権限しか与えられない。基本的に、ユーザーに制約を課せば、アプリケーションにも同じ制約を課すことになってしまうのだ。Windows XPのセキュリティメカニズムもこれとまったく同じ仕組みだが、Windows Vistaで採用されたセキュリティモデルには1つの根本的な違いがある。Windows Vistaでは、管理者でさえも一般のユーザーと見なされるのだ。言い換えれば、ローカル管理者としてログインしても、Windows Vistaが管理者アカウントによる無制限のフルアクセスを許可していないために、一部のアプリケーションを実行できない可能性があるということだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
エンタープライズ向け技術は、Linuxを中核に据え、オープンソースで動作しているものが多い。しかし近年、一部のベンダーが契約による囲い込みを強めており、ベンダーロックインのリスクが高まっている。安定したLinux運用を実現するには?
ITサービスへの要求は年々増大しており、その対応を手作業でカバーするには限界がある。そこで導入されるのがITSMツールだが、特に自動化機能には注意が必要だ。自社に適した運用自動化や作業効率化を実現できるのか、しっかり吟味したい。
業務効率を高めて生産性を向上させるために、多くの企業がITシステムの導入を進めている。しかし、自社の業務に合わないITシステムを導入してしまっては、逆に生産性が低下する可能性も高い。この問題をどう解決すればよいのだろうか。
世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。
Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。