2013年02月25日 08時00分 UPDATE
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PaaSベンダー6社ミーティング【後編】【製品紹介】主要PaaSベンダー6社が語る 気になる料金プラン

注目のPaaSベンダー6社が一堂に会し、6社7サービスについて語った会の後編。料金プラン、今後の機能強化ポイントなどが明らかになった。

[荒井亜子,TechTargetジャパン]

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PaaS | ベンダー | パブリッククラウド


 前編「主要PaaSベンダー6社が語る『うちの強みはこれだ!』」に続き、PaaS(Platform as a Service)ベンダー6社ミーティングの模様をお伝えする。後編では、各PaaSサービスの料金プランと機能面における今後の方向性を探った。

登壇者

パネリスト(50音順)

粟津和也(インターネットイニシアティブ マーケティング本部 新規ビジネス開発部)

今中崇泰(Engine Yard ソリューション マネージャー)

岡本充洋(セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 ディベロッパープログラムマネージャー)

草間一人(NTTコミュニケーションズ クラウドサービス部 ホスティング&プラットフォームサービス部門)

五月女 雄一(ニフティ クラウド事業部 クラウドビジネス部)

西谷圭介(TIS IT基盤サービス本部 IT基盤サービス企画室主査)

モデレーター

林 雅之(国際大学GLOCOM客員研究員)


各者の料金プラン

――前編では多くの人に利用してもらいたいという声が多かったですが、料金体系についてはどのようにお考えですか。PaaSはIaaSよりもいろいろなパターンのマネタイズ方法があると思います。まずはインターネットイニシアティブ(IIJ)の粟津さん。

粟津 Mogokは、無料で提供するよりも性能の良いサーバを利用した場合や、特定の機能を利用した場合に課金するシステムを予定しています。例えばSaaS利用のお客さまに対して課金・決済機能の提供などを考えています。基本的にはその路線ですが、今後広告を入れる可能性もあり得ます。また、お客さまとの契約で問題がなければ、アプリケーションの利用状況をデータ分析し、他のビジネスに転用するビジネスも考えられます。とはいえ、PaaSは市場自体が成熟していないため、課金の作り込みを急ぐよりは有用な機能を充実させユーザーを増やすことが先決です。

――まずはユーザーを増やしてから課金の仕組みを考えるということですね。続いてTISの西谷さん。

西谷 確定ではありませんが、今公開しているeXcaleのiPaaS部分に関しては無料枠を超えたら課金にする方針です。

――eXcaleはPaaSで収益を上げていくのでしょうか。IIJさんはビッグデータと絡めるなどのビジネスモデルも構想しているようですが。

西谷 現在公開中の部分だけで大きな収益を上げることは考えていません。現在のプラットフォーム部分を含めスタートアップ企業を支援するさまざまな物や機能を盛り込んで収益を上げていく方向です。

――続いてNTTコミュニケーションズの草間さん。

草間 IaaSを含めたCloudn全体での収益化が大前提です。Cloudn PaaS単体でも利益は追いますが、その他にCloudnのオブジェクトストレージやデータベースなども一緒に使っていただくことで収益を上げていきたいと考えています(Cloudnの関連記事:NTT Comが満を持して世界に放つ超低価格クラウド「Cloudn」の正体)。

 PaaSの料金プランとしては、月額上限付き時間単位での従量課金制を予定しています。インスタンス数やメモリサイズなどは自由に変更できます。後は、SSLやドメイン、キャッシュ、データベース追加領域など、オプションサービスで課金すると思います。

――料金体系もサービスリリース時である2012年3月末に公開ですか?

草間 その予定です。

――続いてニフティクラウドの五月女さん。ある程度ユーザー数を抱えているとのことですが、料金プランはどうなっているのでしょうか。

五月女 ニフティクラウド C4SAでは、1つのアプリケーションを開発・運用するのに掛かる料金は月額945円(税込)から、1アカウントで最大20アプリケーションまで作れます。さらに、1アプリケーションごとに15日間の無料期間があります。ニフティクラウド C4SA単体で収益を上げていくことを考えていますが、お客さまにはIaaSも含めて利用してもらい、「ニフティクラウドを使うとビジネスが成功する」という構図を作っていきたいです。PaaSはそのための1パーツです(ニフティクラウドの関連記事:システム管理者に優しいIaaS「ニフティクラウド」)。

――日系企業のPaaSは他のサービスと連携してマネタイズしていきたいようですね。外資系のPaaS、特にEngine YardさんはPaaS専業ですよね。どのような料金体系になっているのでしょうか。

今中  Amazon Web Services(AWS)を基盤とするEngine Yard Cloudは、東京リージョンをはじめとするAWSの各リージョンを利用できます。最低料金は、スモールインスタンスを選択した場合、1時間当たり9円で月額計算すると6480円です(時間単位の課金)。Webサイトで見積もりをシミュレーションできますので、お客さまのニーズに合わせてリージョン、インスタンス、サポートを設定して試算いただけます。売りである24時間365日体制で緊急対応を受け付けるプレミアムサポートは、AWSインスタンスのサイズや数によって変動しますが、スモールインスタンスを1サーバ利用した場合、月額1万2822円になります。商用グレードのサポートを取りそろえていることで、他のPaaSに比べて値段は高めに感じられるかもしれません。

 また、ハイCPUミディアムインスタンスを最大500コンピュート時間まで利用できる無料枠(フリートライアル)もあります。その他、2012年11月にはローカルPC上でEngine YardのPaaSを実現できる「Engine Yard Local」という製品をリリースしました。こちらは無期限に無料でご利用いただけます。ローカルPCで開発し、Engine Yard Localで動かすことのできるアプリケーションは、Engine Yardのクラウド上でも問題なくデプロイ可能です。使い分けとしては、アプリケーション開発は時間を気にせずEngine Yard Localで開発/テストし、クラウド上へのデプロイ検証や複雑なシステム構成へのデプロイ検証を行う際に、フリートライアルや通常アカウントをご利用いただく方法がおすすめです。

 堅牢な商用グレードのPaaSと付加価値のあるサービスが強みであることから、価格競争を図ることは考えにくいといえますが、AWSベースのサービスである特性上、AWSの価格変動に伴う価格調整を行うことはあります。

――最後はセールスフォース・ドットコムの岡本さん。

岡本 Herokuは750時間まで無料で、それを超えた場合やアドオンを使用した場合は課金という料金プランです(料金シミュレーションはこちら)。また、クラウドでエンタープライズ向けのJavaアプリケーションを構築・実行できるパッケージ「Heroku Enterprise for Java」も提供しています。こちらは1アプリケーション当たり1000ドル(スケールは要相談)と固定価格です。エンタープライズ向きでスパークのない安定したサービスに向いています。

 Force.comは1ユーザー単位の課金(1ユーザー当たり6000円もしくは9000円)です。ただし、1アプリケーションしか作らないユーザー向けには1アプリケーション当たり1500円で提供するといったライセンスプランもあります。ChatterやSalesoforce Identityを使ったフリーミアムモデルも提供しています。

機能面での今後の方向性

――最後に、今後のサービス開発や機能追加の予定、ユーザー企業へのメッセージをお願いします。席順で五月女さんから。

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