京都地域包括ケア推進機構は、全府民が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現を目指し、在宅療養中の高齢者を支援するクラウド型CRMをベースとするシステムを運営している。
急速な勢いで高齢化が進む日本。団塊世代の多くが後期高齢者となる2025年を見据えて、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていける社会の実現が求められている。そのためには医療、介護、福祉分野が抱えている問題を解決する体制の整備が必要だ。そんな中、京都地域包括ケア推進機構はクラウドサービスを利用し、高齢者の在宅療養の支援事業を進めている。本稿では「富士通フォーラム2013 東京」(5月16日)の講演内容を基にその取り組みを紹介する(関連記事:富士通、健康/医療を支えるICT基盤の普及を目指す)。
2011年6月に設置された京都地域包括ケア推進機構は、医療や介護、福祉、大学など39の関連団体が運営している組織。京都府知事(山田啓二氏)や京都市長(門川大作氏)、京都府社会福祉協議会会長(柏原康夫氏)、京都府医師会会長(森 洋一氏)などが代表幹事を務めている。
京都府 健康福祉部 高齢者支援課 地域包括ケア担当課長、高野憲一氏によると「京都府はこれまで医療、介護、福祉の各制度が独立して個別にサービスを提供していた。そのため、サービス間の連携が不足して情報収集が困難となるなど高齢者のリハビリが途切れがちで在宅療養を続ける環境が不十分だった」と振り返る。また、京都府の地域包括支援センターは業務の7割を介護予防プラン作成に費やし、継続的なケアマネジメント業務まで手が回らなかったという。その上で、高野氏は「京都地域包括ケア推進機構はあらゆる関係団体が結集した“オール京都体制”で現状の問題を解決し、医療、介護、福祉のサービスを一体的に提供できる仕組みの構築に取り組んでいる」と説明する。
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