地域包括ケアシステムのプラットフォームや健康増進/予防医療サービス、患者呼び出しサービスなど、「富士通フォーラム2013 東京」で展示されていた医療IT関連の製品やサービスを紹介する。
富士通は5月16、17日、東京国際フォーラムでプライベートイベント「富士通フォーラム2013 東京」を開催した。今回のテーマは「Reshaping ICT, Reshaping Business and Society」。地域社会の課題解決や企業ビジネスの成長・変革を支えるICT活用、それらを支えるIT製品・サービス、技術に関するセミナーや展示デモが行われた。展示会場では「健康・医療」ブースが設けられ、同社の医療関連の製品・サービスを紹介していた。
病院向け電子カルテ市場で国内トップシェアを誇る富士通は、超高齢社会に求められる地域包括ケアの実現を支えるシステム基盤の構築に取り組んでいる。例えば、複数の医療機関で診療情報を共有できる地域医療ネットワーク基盤「HumanBridge EHRソリューション」で、「1地域1患者1カルテ」の実現を支援。また、高齢者の在宅医療/介護ケアを支援するクラウドサービス「往診先生」を提供している。
近年、地域住民や従業員自身が日々の体調や運動履歴を記録し、その情報を基に企業や自治体が生活習慣病の改善指導、食事指導などを行う「健康増進/予防医療サービス」が普及している。今回のイベントでは、個人の健康情報の記録とその管理を実施するプラットフォーム「ヘルスアップWeb」が展示された。
ヘルスアップWebは体重や血圧、歩数などの日々のバイタルデータから健診結果、通院記録といった個人の健康情報をインターネット上で蓄積・管理するPHR(Personal Health Record)システムだ(関連記事:PHR実現をけん引する携帯端末向け健康情報管理サービス)。
ヘルスアップWebでは、専用ゲートウェイを用いてバイタルデータを記録する。通信機能付きの体組成計や血圧計、歩数計の計測データをゲートウェイ経由でデータセンターに自動送信する。富士通によると「ユーザーが入力する手間を省くことで継続率の向上を支援する」という。
また、企業や自治体などの保健指導員は、従業員や住民の健康情報を管理画面でリアルタイムに閲覧することで、適切な改善指導に役立てられるという。
その他、携帯電話で撮った食事の画像をアップすることで栄養士のアドバイスを受けたり、スポーツ施設では心電センサーや運動内容に関するデータを収集してトレーナーが作成した評価リポートを自動的に取り込むことも可能だ。
医療機関への不満として、多くの患者が「診察までの待ち時間」を挙げる。大規模な病院で複数の診療科を受診する際には、診察待ち患者は院内を移動することが多い。今回のイベントでは、そうした診察待ちの不安を解消するサービスとして「患者案内カードNAVIT」(以下、NAVIT)を展示。
NAVITは、受付時に外来患者に貸し出すカード型携帯端末。受診する診療科目や診察の予約時間、該当診療科目の診察進行状況、診察室への呼び出しなどの情報を電子ペーパー形式で表示する。院内に設置した無線アクセスポイントの通信エリアであれば、どこにいても診察進行状況を確認できる。富士通によると「受付から診察、会計までの間、特定の場所で待たされることがない。院内を自由に移動できることで診察待ち時間に対する不安を軽減できる」という。
また、待合室にいない患者に対しても呼び出しメッセージを配信でき、院内スタッフの業務軽減にも貢献できるとしている。
富士通は、医療機関や介護事業者、調剤薬局、自治体などとの情報連携を進めることで、住民が安全に暮らせる地域社会の実現に貢献するICT基盤の構築を目指すという。
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