SSDなどの実装で追随へ
比較で分かったRackspaceとAWSの性能差 ギャップは埋まるか?
米RackspaceのIaaSユーザーたちは、同社のデータセンターが増強されたことで、クラウドコンピューティングのパフォーマンスが向上し、AWSとの性能差が埋まると期待している。
米Rackspaceは米北バージニアにあるデータセンターのアーキテクチャを刷新し、10ギガビットイーサネット(GbE)ネットワーク、米Intelの最新のXeonプロセッサおよびSSD(ソリッドステートストレージ)を導入した。同社によると、新しい「Performance Server」では、クラウドコンピューティングのパフォーマンスが大幅に向上したという。
新しいPerformance Serverのβテスターによると、米Microsoftの「Microsoft SQL Server」データベースのTPS(1秒当たりのトランザクション数)で比較した場合、専用ハードウェアの数倍のパフォーマンスだという。
米不動産会社CommissionsのWebサイトでは、32Gバイトのメモリを搭載したベアメタルハードウェアのパフォーマンスは約400TPSだった。同サイトを担当するチーフソフトウェアアーキテクトのマシュー・スワンソン氏は「120Gバイトのメモリを搭載したPerformance Serverは現在、3500TPS以上のパフォーマンスを実現している」と話す。
Performance Serverは大量のメモリが搭載されているため、高いTPS性能を実現する。加えて、Performance Serverはプロビジョニングが容易で、価格も割安になっている。
スワンソン氏によると、30Gバイトのサーバインスタンスの価格は従来、1時間当たり2.64ドルだった。現在は120Gバイトのメモリで1時間当たりの価格が5.44ドルだ。すなわち、約2倍の価格でメモリ容量が4倍になったわけだ。
「一方、クラウド上でのプロビジョニング作業は1日で終わる。ベアメタルサーバよりもずっと簡単だ」とスワンソン氏は語る。
「以前は、プロビジョニング作業に数日、場合によっては数週間もかかることがあった」(同氏)
サーバのサイズ変更や再プロビジョニングに際してのRackspaceのクラウドコンピューティングのパフォーマンスに不満を感じていたのは、スワンソン氏だけではない。
ソーシャルメディア管理を手掛ける米新興企業のSprout Socialのアーロン・ランキン最高技術責任者(CTO)によると、サーバのプロビジョニングに必要な時間という点では、Rackspaceは米Amazon Web Services(AWS)などの競合企業に後れを取っていたという。
「新しいサーバを作成したり、サーバのサイズを変更するのに、Amazon EC2では30~120秒くらいしかかからない。Rackspaceの場合、サイズ変更に数時間から1日以上もかかることがある」とランキンは話す。
ランキン氏の会社は、大量のメモリを消費し、大量のI/O処理が発生するサービスを提供しているため、新しいPerformance Serverに強い関心があるという。
「AWSでホスティングされるサービスと比べた場合、Rackspaceのクラウド製品を使っている当社は不利な立場に置かれていた。AWSのサービスは、インスタンスのサイズが大きく、IOPS(1秒間当たりのI/O数)も高い」とランキン氏は話す。
「Rackspaceのパフォーマンス改善は大いに助かる」と同氏は付け加える。「当社のシステムの大部分が、この強力なパフォーマンスを利用することになるだろう」
Rackspaceの新クラウドコンピューティングのパフォーマンス仕様
Performance Serverにはインフラの仕様に応じて2つの新しいクラスがある。「Performance 1 Class」は、1/2/4/8Gバイトのメモリサイズが用意されており、価格は1Gバイトのメモリで1時間当たり4セント、2Gバイトで8セント、4Gバイトで16セント、8Gバイトで32セントとなっている。
「Performance 2 Class」では、15Gバイトから120Gバイトの範囲でメモリサイズを15Gバイト単位で選べる。価格が15Gバイトで1時間当たり68セント、120Gバイトで5.44ドル。Rackspaceによると、Performance 2 ClassはSSDの採用により、リードで最大8万IOPS、ライトで最大7万IOPSのパフォーマンスを提供するという。
今回のデータセンターのデザイン変更により、各ホストの総帯域幅は40Gbpsになった。ストレージへの冗長接続用に20Gbps、ネットワークへの冗長接続用として各10Gbps(計20Gbps)が確保されているため、障害が発生した場合でも10Gbpsのパフォーマンスが(理論上は)維持される。
ダラス、シカゴ、ロンドンにあるRackspaceのデータセンターでも、2013年11月中に同様のオーバーホールを実施。香港とシドニーのデータセンターは2014年に実施の予定だ。
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