分散ファイルシステム「GlusterFS」の高速化と自己修復機能強化OpenShiftとの統合も強化

Red Hatが、同社の分散ファイルシステムを機能強化して実用度を高めた。メタデータキャッシュやコンテナでの展開などの新機能を紹介する。

2017年06月12日 08時00分 公開
[Antony AdsheadComputer Weekly]
Computer Weekly

 Red Hatは、同社のファイルシステム「GlusterFS」の機能強化を幾つか発表した。検索速度向上を目的とするメタデータキャッシュの強化、Red Hatのコンテナプラットフォーム「OpenShift」との密接な統合などがその例だ。

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 「Gluster Storage 3.2」(以下、Gluster 3.2)へのアップグレードによって「Arbiter Volumes」も追加される。この機能により、ボリュームの完全コピー3つではなく、ボリュームの完全コピー2つとメタデータのコピー1つを用意すれば、ファイルシステムクラスタの一貫性欠如が解決される。また、イレージャーコーディングボリュームの自己復旧も高速になる。

 GlusterFSはNAS型で、ファイルアクセスは並列ファイルシステムになっている。そのため、大量のファイルを含む単一の名前空間で複数のノードにスケールアウトできる。データ保護は3ウェイレプリケーションか、イレージャーコーディングで実現している。

 GlusterFSのような並列ファイルシステムは、大量に保持される非構造化ファイルデータに最も適している。このようなワークロードのデータ保持手段として、並列ファイルシステムとオブジェクトストレージとの競争が激化している。

 Gluster 3.2はクライアントサイドキャッシュにより、メタデータ操作が強化されている。そのため、ディレクトリ操作や検索などを行うためにサーバに移動する必要はない。仕様では、前バージョンよりも速度が最大8倍高速になるとされている。

 Red HatはGlusterFSとOpenShiftの統合を強化している。これにより、コンテナでGlusterFSのインスタンスを展開して、そのインスタンスをクラスタとしてジオレプリケーションに接続し、OpenShiftを実行しているホスト上でアプリケーションをサポートできる。

 これにより、GlusterFSの展開オプションが増え、ファイルシステムノードの展開オプションとして物理コンピュータ、仮想マシン、クラウドの他に、コンテナが加わる。

 Arbiter Volumesの導入により、前述の通り完全コピー2つとメタデータのコピー1つでクラスタを一致させられるようになる。主なメリットは、ストレージ容量の減少とハードウェア要件の削減だ。

 Red Hatのストレージ製品責任者サヤン・サハ氏は次のように語る。

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