2017年10月12日 08時00分 公開
特集/連載

2017年 企業向けワイヤレスネットワークトレンド(前編)今後のワイヤレス通信を担う「802.11ac Wave 2」と「IEEE 802.11ad」

モバイル端末の増加が、企業のワイヤレス環境を変えようとしている。そして、新たな技術が生まれ、普及しつつある。今後の鍵を握る技術トレンドを紹介する。

[Rene Millman,Computer Weekly]
Computer Weekly

 企業インフラへのアクセスに使用される新しいモバイル端末が増加の一途をたどっているため、エンタープライズワイヤレスネットワークは切迫した状況にある。

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 Gartnerによると、モバイルデータの半数以上が既にWi-Fiで送受信されている。この規模は、2015年には5200万TBだったのが2018年には1億7300万TBになると予想されている。

 企業がこうしたワイヤレスネットワークの課題を把握できるようにするため、ITプロフェッショナルが認識しておくべき重要なトレンドが幾つか存在する。

 WatchGuard Technologiesで戦略的アライアンスディレクターを務めるライアン・オルシ氏によると、Wi-Fiとセキュリティの統合が2017年も引き続き行われるという。歴史的には、Wi-Fiはネットワークの運用に含まれ、セキュリティは別の部門で管理されてきた。

 「モビリティーは、“従業員をデスクに縛り付けない”ということだけではなくなった。この言葉は、ネットワークアクセスと無線LANのセキュリティポリシーをWi-Fiトラフィックにも適用することも意味するようになっている」(オルシ氏)

 こうしたポリシーを適用するために、社内のネットワークチームとセキュリティチームは以前よりも頻繁に情報を共有するようになるだろう。オルシ氏は、アクセスポイント(AP)の重要な機能の1つとして、無線侵入防止システム(WIPS)を挙げている。これが、緊密な統合を行う要因になっている。

 「セキュリティチームは、Wi-Fi WIPSシステムが検出する2つの有害なアクティビティーである『不正AP』と『ハニーポット』を可視化しなければならない。同様に、WIPSセンサーによって自動防止機能を有効にでき、悪意のあるトラフィックや未承認のトラフィックを制圧できるようになれば、ネットワークチームの仕事は楽になる」(オルシ氏)

もう1つの波「802.11ac」

 World Wide Technologyでモビリティーとアクセスソリューションのプラクティスマネジャーを務めるニール・アンダーソン氏は、ワイヤレス標準「802.11ac Wave 2」の登場がユーザーに大きなメリットをもたらす可能性があると語る。802.11ac Wave 2に並ぶのが「Wi-Fi Assurance」だ。

 同氏によれば、802.11ac Wave 2は「ワイヤレスネットワークのパフォーマンスとスループットに、ユーザーにも分かるほどの大きな影響を与える」という。「Multi User MIMO」(MU-MIMO)などの機能も、さらに多くの端末からAPへの同時通信を可能にする。

 「これだけでもパフォーマンスが4倍になり、ユーザーエクスペリエンスは格段に向上する」(アンダーソン氏)

 オルシ氏によると、企業はエクスペリエンスの質の向上を目指し、多数の有名メーカーのスマートフォンで以前から使用されている802.11ac Wave 2を採用し始めているという。

 「MU-MIMOは、APが一度に複数の端末と通信し、エアタイムの使用率を改善できるようにする主要テクノロジーの1つだ」と同氏は話す。また、「802.11ac Wave 2を使用するAPは、企業にとって事実上の標準になろうとしており、今後のアップグレードパスは802.11axになる。つまり、数年がかりで携帯電話事業者が学んだ教訓を採用することにより、チャネル競合の軽減が約束される」とも語っている。

 さらに、Wi-Fi Assuranceにより無線LANの課題に対処できるという。具体的には、ユーザーが接続やエクスペリエンスの問題に遭遇したときの対応の早さやトラブルシューティングに関係する。

 「Wi-Fiの受信範囲とエクスペリエンスを、ユーザーの観点からプロアクティブかつリアルタイムに計測するツールが登場している」(アンダーソン氏)

 802.11ac Wave 2とWi-Fi Assuranceが登場した理由は、職場の主要ネットワークとしてWi-Fiが採用されるようになっているためだという。

 「区画分けされたオフィスは消滅しかけており、従業員はデスクに縛り付けられずに好きな場所で、思うように仕事がしたいと考えている。そのため、IT部門はWi-Fiの見直しを迫られている。完全にモバイルなオフィス空間を提供する準備は整っているだろうか。ワイヤレスで音声や動画をサポートできるだろうか。問題発生時に、それを把握する方法やトラブルシューティングする方法はあるだろうか。こうした疑問について考えておかなければならない」(アンダーソン氏)

IEEE 802.11ad──強化されたBluetooth

 Xirrusの創設者ダーク・ゲイツ氏は、「IEEE 802.11ad」も興味深い新興技術だと話す。

続きはComputer Weekly日本語版 10月4日号にて

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