「IaaS」丸分かり 比較、事例、解説記事を紹介

ユーザー企業のIT担当者を対象に、IT製品/サービスの導入・購買に役立つ情報を提供する無料の会員制メディア「TechTargetジャパン」。このコンテンツでは、IaaSに関する事例、比較、解説の記事を紹介します。製品/サービス選定の参考にご覧ください(リンク先のページはPR記事を含みます)。

IaaS(Infrastructure as a Service)とは

 「IaaS」(Infrastructure as a service)は、インターネットを介してコンピューティングリソースを提供するサービスのことを指す。SaaS(Software as a service)およびPaaS(Platform as a service)と並んで、主要なクラウドサービスの一つだ(続きはページの末尾にあります)。

IaaS関連の比較

IBMが「AWS」でSaaS提供の“謎” なぜ競合クラウドを使うのか?

競合サービスである「AWS」を使ってSaaSを提供するIBMの取り組みや、京都大学の「Microsoft Azure」導入事例など、クラウドの主要ニュースを6本紹介する。

(2022/6/30)

使用料が約178倍! インスタンスで変わるIaaSのコストと消費電力

炭素排出量の少ないソフトウェアは消費電力やクラウドの使用料金にも影響がある。Azureの異なるインスタンスで同じワークロードを実行すると大きな差が生じた。つまりコスト削減につながるということだ。

(2022/2/23)

ユーザーが指摘する、AWS、Microsoft、Googleのクラウドの不満点

AWS、Microsoft、Googleは間違いなくクラウドサービス界のリーダーだが、各社のサービスを利用しているユーザー企業は不満を抱いている。Gartnerが同社クライアントから集めた不満点とは?

(2021/9/16)

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IaaS関連の事例

大手ホテルが「データセンター縮小」「インフラ9割クラウド移行」に挑む理由

ホテルフランチャイズのWyndham Hotels & Resortsはデータセンターを縮小し、ITインフラの9割をクラウドサービスに移行する目標を掲げている。「AWS」へのシステム移行に取り組む同社の施策とは。

(2021/10/25)

ゲーム「五等分の花嫁」が、AWSやAzureではなく「Alibaba Cloud」で動く理由

「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の新しい割引プラン「Oracle Support Rewards」の発表やゲーム会社enishの「Alibaba Cloud」導入事例など、主要なニュースを紹介する。

(2021/7/31)

ウェザーニューズが気象サービス「WxTech」構築で直面したインフラ面の課題とは

気象データを提供する「WxTech」サービスを構築する上で、ウェザーニューズはインフラに関する“ある課題”に直面した。それは何だったのか。

(2021/7/28)

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IaaS関連の製品解説

Googleクラウドの“爆速”VM(仮想マシン)「C3」シリーズとは?

HPCや大規模なアプリケーションに適した仮想マシンタイプとして、Googleが用意するのが「C3」シリーズだ。C3シリーズの特徴を簡潔に紹介する。

(2022/12/21)

Windows 365ベースのクラウドワークステーション「Microsoft Dev Box」とは?

Microsoftが開発者向けに提供するクラウドワークステーションの「Microsoft Dev Box」。開発者はMicrosoft Dev Boxを使うことで、何ができるようになるのか。機能と特徴を説明する。

(2022/6/23)

クラウド版IBM Z「IBM Wazi as a Service」爆誕 誰が喜ぶのか?

「IBM Wazi as a Service」は、IBMのメインフレーム製品「IBM Z」の開発・テスト環境をクラウドサービスとして利用できるようにする。IBM Zのユーザー企業にどのようなメリットをもたらすのか。

(2022/4/14)

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IaaS関連の技術解説

クラウド料金を抑えるには? Google Cloud Storageのベストプラクティス4選

Google Cloud Storageの料金はさまざまな要因で変化する。コストを抑えるにはどのようにすればよいのか。ベストプラクティスを紹介する。

(2024/2/27)

クラウドコストの基礎「Google Cloud Storage」の料金はどう決まる?

Google Cloud Storageはさまざまな用途に応じて使える容量無制限のオブジェクトストレージサービスだ。料金は複数の要素から決定する。料金が決まる仕組みを解説する。

(2024/2/20)

クラウドが手軽に安くなる“格安リージョン”の賢い選び方

クラウドサービスのコストは、ユーザー企業が利用する「リージョン」や、クラウドサービスを利用する従業員のスキルによって大きく変動する可能性がある。コストを抑えるにはどうすればよいのか。

(2022/10/3)

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IaaS関連の運用&Tips

可用性に無駄金を使わない基礎知識 「IaaS」の主な構成要素とは?

IaaSの可用性向上を実現する場合、IaaSの「何」の可用性を高めるのかを検討し、必要以上のコストが発生しないようにするのが重要だ。IaaSの主な構成要素を整理し、それぞれでHAを実現する方法を説明する。

(2022/4/8)

「IaaS移行」を考えたらまず検討しておきたいポイント

オンプレミスインフラからIaaSへの移行を考えるCIOは、移行計画を立てることにもコストがかかることを忘れてはならない。IaaS移行の計画段階でかかるコスト要素について詳しく説明する。

(2022/3/17)

クラウドストレージの無駄なコストを節約する勘所

クラウドストレージの何がコストを発生させているのかを確認しよう。契約内容を再チェックすると、必須ではない要素が存在する可能性がある。必要な機能でも、使い方を工夫することでコストを削減できる可能性がある。

(2021/2/17)

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IaaS関連の用語解説

【徹底比較】マネージドセキュリティサービスの内容を比較する

セキュリティ製品の監視だけでなく、脆弱性診断など対象範囲が広がる「マネージドセキュリティサービス」。そのサービス内容を比較する。

(2012/3/29)

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IaaSの仕組みとサービス

 IaaSを提供するクラウドベンダーは、オンプレミスのデータセンターに従来存在していたインフラコンポーネントを各ベンダーのデータセンターにホストする。インフラコンポーネントとは、サーバ、ストレージ、ネットワークといったハードウェアと、ハイパーバイザーをはじめとする仮想化ソフトウェアなどだ。

利用可能なサービスはさまざま

 クラウドベンダーは、これらのインフラコンポーネントに付随するさまざまなサービスも提供する。例えば

  • セキュリティ
  • 負荷分散
  • クラスタリング
  • バックアップ
  • レプリケーション
  • リカバリー

などのサービスを含む。これらのサービスはポリシーによる制御が可能なことが一般的であり、IaaSのユーザー企業はインフラ関連の重要なタスクのオーケストレーション(自動化)が可能だ。例えばユーザー企業はポリシーを実装して負荷分散を推進し、アプリケーションの可用性とパフォーマンスを維持できる。

 ユーザー企業は、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)を介してIaaSの各種リソースとサービスにアクセスし、

  1. 仮想マシン(VM)の作成
  2. 各VMへのOSのインストール
  3. データベース管理システム(DBMS)などのミドルウェアのデプロイメント(配備)
  4. バックアップ用のストレージ設定
  5. VMへのアプリケーションのインストール

といった一連の作業ができる。クラウドベンダーのサービスを使用して、コストの追跡、パフォーマンスの監視、ネットワークトラフィックのバランス調整、アプリケーション問題のトラブルシューティング、災害復旧(DR)関連の設定なども可能だ。

 「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」はIaaSを含む代表的なクラウドサービス群だ。ユーザー企業はプライベートクラウドを構築して、IaaSのベンダーになることもできる。

今すぐできるIaaSコストお手軽節約術

 IaaSは 企業に潜在的メリットを幅広く提供し、アジリティーの強化、初期費用や運用コスト(OPEX:Operating Expenditure)の削減、市場投入にかかる時間の短縮、優れた実験台、技術面での柔軟性などを実現する。

最優先はコスト管理

 IaaSの大きな魅力は、始めるのがとても容易なことだ。ポータルにログインすれば仮想世界が思いのままになる。

 IaaSの大きなリスクは、始めるのがとても容易なことだ。従業員がIaaSを使い始めても、監視がほとんどまたは全く行われない可能性がある。

 リソースをオンプレミスで使うこととクラウドで使うことは根本的に異なる。オンプレミスならばサーバハードウェアとソフトウェアライセンスは購入済みなので、基本的には稼働を続けることが適切だと考えられる。使うほど投資利益率(ROI)は高くなる。

 オンプレミスでWindowsベースの仮想化環境を構築する際に大きな懸念となるのは、VMの運用数に対してライセンス数が不足することだ。そのため大半の企業はWindows Server Datacenterのライセンスを適切に取得し、無制限のVMを動かす権限を付与することになる。

 Microsoft AzureやAWSなどのサービスの主なセールスポイントは従量制の料金システムだ。物理ハードウェア(および必要なソフトウェアライセンス)を事前に購入しても、使用率が非常に低くなることもある。従量課金制であれば、その時点で必要なVMを作成するだけだ。これは便利に思える。だが、パブリッククラウドプロバイダーにとって「使用中」とは「スイッチオン」を意味することに注意しなければならない。電源が入った状態のまま使われていないVMは、お金を無駄遣いしていることになる。

 一例を考えてみる。日数が31日の月の総時間数は744時間になる。つまり最大744時間分課金される可能性がある。テストや開発が目的の場合、クラウドリソースが絶えず必要になることはないため、停止するだけでも大きな節約になる可能性がある。週末にVMを停止すれば192時間も節約できる(土日が8日の場合)。

 次に「勤務時間」を定め、その時間以外はVMを停止する。これにより稼働時間は大幅に短くなる。勤務時間を朝7時から夜7時に設定すればVMをさらに276時間停止でき(平日が23日の場合)、総計468時間の削減が可能になる。1時間当たり3ポンド課金されるとしたら、1カ月に1404ポンド(約20万3850円)の節約になる。逆に、停止しなければ1404ポンドが無駄になる。

 IaaSのコスト管理にはこれ以外にも多くの要素がある。以下に、これ以外の方法を3つ示す。

  • プロビジョニング

 クラウドリソースが過剰にプロビジョニングされていないかどうかを監視する。VMでもコア数が48個のものと16個のものではコストに大きな違いがある。

  • リソースの構成

 費用が発生しているリソースが本当に使われているかどうか、または簡易的で安価な構成に変更可能かどうかを検討する。

  • 課金方法

 IaaSのデフォルトの課金方法になっていることが多い従量課金は、柔軟性が非常に高いものの、必ずしもコストパフォーマンスが最も高い選択肢ではない。リザーブドインスタンス(予約インスタンス)を提供しているクラウドプロバイダーは多く、長期にわたるクラウドワークロードのコスト節約が可能になる。リザーブドインスタンスを最適に利用するには、コストに関するレポートと分析を詳細に行う必要がある。

 パブリッククラウドのガバナンスは口で言うほど簡単ではない。以下に、知っておくべき極めて重要な3つの点を紹介する。

  • どのクラウドを使用中か
  • どのリソースを作成しているか
  • それらのリソースを作成できるのは誰か

 これらを確認したら、全関係者と新しいガイダンスについて協議し、ガイダンスを順守するように関係者のチームと連携することが必要だ。