顧客満足からカスタマーエクイティに軸足をシフトする米大手銀行Case Study

米大手銀行ワコビアはカスタマーエクイティ(顧客資産)を定義し、その向上を図る新しい取り組みに乗り出した。そのための高度なデータ分析にSASの技術を利用している。

2006年07月28日 08時00分 公開
[Barney Beal,TechTarget]

 顧客満足と顧客ロイヤリティの向上が銀行業務の重要課題とされているのは、今に始まったことではない。

 だが、米銀行大手のワコビアは、この考え方をもう一歩推し進めている。同行はミシガン大学の集計による顧客満足度の年間ランキングですでに首位を占めているが、カスタマーエクイティ(顧客資産)を定義し、その向上を図る新しい取り組みに乗り出している。

 「コンサルティング会社は、顧客生涯価値に注目すべきだとアドバイスしている。だが、このアプローチで実現できる顧客価値は平均的なものにとどまる」とワコビアの顧客分析調査/ターゲティング(CART)グループの上級副社長兼統計/モデリング担当ディレクター、ダン・ソープ氏は語る。「われわれは顧客の各世帯ごとにカスタマーエクイティを計算している。そうすることが顧客価値の的確な把握と向上に役立つと考えている」

 だが、それは容易なことではない。ワコビアの顧客は1300万人以上に上り、これらの顧客を世帯単位で分類してそのカスタマーエクイティを集計するには、各世帯の構成を把握しなければならない。夫と妻だけでなく子供1人1人や、さらには事業用のものも含めて、当座預金や抵当ローンなどを計算の対象にする必要がある。

 ソープ氏のチームは、世帯ごとのカスタマーエクイティの集計を年末までに完了する計画だ。ワコビアはその結果と過程のデータを顧客向けのキャンペーンなどに活用できるようになる。

関連ホワイトペーパー

顧客満足 | ベンダー


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...