データレプリケーションソフト「RepliStor」を中核システムとして導入して、工事事務所と協力会社間の情報共有インフラを再構築。また、東京・大阪間にそれぞれEMCのストレージを導入し、データレプリケーション体制も構築している。
EMCジャパンは9月2日、大手総合建設会社の大林組がストレージソリューションを導入し、工事に関するデータをリアルタイムで工事事務所と協力会社間で共有・保全できる情報インフラを構築したことを発表した。
大林組では2001年9月から、工事事務所と協力会社間の情報共有を目的としたポータルサイト「OC-COMET」を運用しているが、2002年に電子契約機能や工事記録の保存機能などを追加装備したことで利用が拡大し、同社の情報共有の基幹インフラへと発展。建設会社にとって不可欠となる工事記録には、施工図や品質関係書類、工事写真といった工事の施工状況などの情報がある。その後、ポータルサイトの利用者が増加したことにより処理速度の低下が発生。パフォーマンスの課題解消と利便性向上を目的として、同社は2005年からOC-COMETの全面刷新プロジェクトを開始した。
新システムではそれまでユーザー自身が行っていた工事記録などのアップロード作業の自動化を重視した。大林組では特にデータアップロード時のインターネット帯域幅の確保、セキュリティ要件などを考慮してベンダー3社の製品を比較検討した結果、データレプリケーションソフトウェア「EMC RepliStor」を中核システムとして導入し、工事に関するデータを自動アップロードして保存する仕組みを構築した。EMC Replistorの選定理由としては、帯域幅の設定を自由に行え、データが途切れることなく確実にアップロードできる点を挙げている。
また、データの保存先として東京本社にIPストレージゲートウェイ「EMC Celerra NS40G」とネットワークストレージシステム「EMC CLARiX CX3-40」を、大阪本店にエントリーレベルの統合型IPストレージシステム「EMC Celerra NS20」を導入、工事事務所当たり約10Gバイト、500カ所での展開を想定して約6Tバイトの容量を用意した。
さらに、2カ所のサイト間で整合性のあるレプリカを保持する「EMC Celerra Replicator」、サーバを介さずにデータを高速移動する「EMC SAN Copy」、レプリケーション管理ソフトウェア「EMC Replication Manager」などのストレージソフトウェアを導入。東京・大阪間のデータレプリケーション体制を構築し、災害時の事業継続・復旧体制も確立した。
新システムは2008年4月に運用を開始。処理速度の向上、情報共有の迅速化という当初の課題解決に加えてユーザー負担も軽減されており、生産性向上に貢献しているという。工事事務所からの新規利用のニーズも拡大しており、大林組では本年度中に200工事事務所での利用を目指すとしている。
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