JAXAがEMCのストレージ導入、衛星「だいち」の観測データ処理を高速化NEWS

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センターが、高速/大容量ストレージソリューション「EMC CLARiX CX3-80」および「EMC Celerra NSX」を導入した。

2008年06月17日 19時04分 公開
[TechTargetジャパン]

 EMCジャパンは6月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のJAXA地球観測研究センター(EORC)に、高速/大容量ストレージソリューション「EMC CLARiX CX3-80」および「EMC Celerra NSX」を導入したことを発表した。これにより、「だいち」の愛称で知られる陸域観測技術衛星(ALOS)が収集した観測データの処理/保存を高速化するとともに、管理性を向上した。

 だいちによる地球観測で収集するデータは1日当たり1Tバイトに上り、EORCでは日々増大するデータをいかに高速に処理し保存するかが課題となっていた。これまでEORCでは、だいちの観測データ処理/保存システムとして、2004年に導入したSATAディスク搭載のLinuxサーバをファイルサーバとして利用していたが、システム更改を迎えるに当たって問題点を検討。その結果ミッドレンジストレージEMC CLARiX CX3-80と、ハイエンド向けNASゲートウェイEMC Celerra NSXを導入した。

 Celerra NSXは「N+1」のクラスタ構成で冗長化され、2系統のファイバーチャネル(FC)スイッチを装備してシステム全体の信頼性と可用性を高めている。また、CLARiX CX3-80では、FC接続とSATA接続の2種類のディスクを混載しており、性能が求められる解析処理用などにはFCディスク、大容量が求められる解析後データなどの保存にはSATAディスク、というように使い分けることで、高速処理と大容量データ保存を同時に実現している。

 新システムは既存システムの2倍以上の性能を実現しただけでなく、運用管理面も大幅に改善。現在設置されている18台のファイルサーバの管理業務が1台のコンソールで可能な上、24時間オンラインで保守するため、今後の管理負荷の大幅な軽減も期待される。

 だいちのミッション目標期間は5年とされており、全期間の観測データを保存していくためにはペタバイト級のストレージ容量が必要になると予測される。JAXAは今回導入したストレージソリューションを基に、将来的には容量拡張と省電力/省スペース化を見据えたシステム構築を検討するという。

関連ホワイトペーパー

EMC | ストレージ | 運用管理 | クラスタ | NAS


ITmedia マーケティング新着記事

news058.jpg

アドビ、Adobe Firefly機能搭載の「Adobe Express」モバイル版アプリを一般提供
アドビは、生成AI「Adobe Firefly」の機能を利用できる「Adobe Express」モバイル版アプ...

news141.jpg

2度あることは3度あった GoogleのサードパーティーCookie廃止再延期にアドテク各社がコメント
Googleは2024年末までに完了する予定だったWebブラウザ「Chrome」でのサードパーティーCo...

news148.jpg

天候と位置情報を活用 ルグランとジオロジックが新たな広告サービスを共同開発
ルグランとジオロジックが新たな「天気連動型広告」を共同開発した。ルグランが気象デー...