ストレージアレイメーカーがEMCのSSDに追随しない理由エンタープライズSSD市場は「嵐の前の静けさ」?

1社が新技術を打ち出すと他社がすぐまねをするストレージアレイ業界だが、EMCのソリッドステートドライブ(SSD)に追随する他社はまだない。

2008年11月27日 08時00分 公開
[Chris Mellor,TechTarget]

 ストレージアレイメーカーは、いつもまねばかりだ。各社ともデュアルコントローラーのモジュラー型アレイを持ち、それぞれにハイエンドのモノリシックアレイとローエンドのエントリーレベルアレイがある。どこか1社が大きな革新を打ち出すと、残る各社も追随する。

 ただし、フラッシュメモリのソリッドステートドライブ(SSD)だけは例外だ。EMCはこの分野に革新をもたらしたが、他社は追随していない。

 EMCは2008年1月、同社のアレイ製品「Symmetrix DMX-4」向けの「エンタープライズフラッシュドライブ」(EFD)ストレージを発表した。このSSDは、データに極めて高速でアクセスできる「階層0」ストレージを形成する。もちろん値段は高いが、確かに速い。Symmetrixファイバーチャネルドライブのショートストローキング(最も速くアクセスできたトラックにデータを書き込むだけで、ほかは無視する)で高速化を図っている顧客は、このフラッシュドライブによるパフォーマンス向上を実感している。しかも、このパフォーマンス強化は相応のコストで達成できる。ショートストローキングはユーザーのGバイト当たりコストを人為的に膨らますものだったからだ。

 ストレージ業界は目を見張り、そのロジックを調べてEMCにフラッシュドライブを供給しているSTECと、同社独自のファイバーチャネルインタフェースSSDのことを知った。STECはほかのストレージアレイメーカーとも交渉中だと説明し、われわれは皆、他社がEMCに続いて製品を発表するのを待っていた。ところがまだ発表は1つもなく、あいまいな関心を示しているのみだ。

 EMCはさらに追い打ちを掛け、モジュラー型の「Clariion CX4シリーズ」にもSSDストレージを追加した。そこで疑問なのは、ほかのストレージアレイメーカーがなぜこれほどEMCに後れを取っているのかということだ。

 EMCがSTECと結んだ契約には制約が多いとの話だったが、その契約は2008年9月で期限切れになったはずだ。また、アレイのインタフェースとコントローラーはHDDのI/O率とアクセスパターンに合わせてあるため、ストレージアレイにSSDを追加するのは難しいことも分かってきた。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ストレージアレイメーカーがEMCのSSDに追随しない理由:エンタープライズSSD市場は「嵐の前の静けさ」? - TechTargetジャパン サーバ&ストレージ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...