1社が新技術を打ち出すと他社がすぐまねをするストレージアレイ業界だが、EMCのソリッドステートドライブ(SSD)に追随する他社はまだない。
ストレージアレイメーカーは、いつもまねばかりだ。各社ともデュアルコントローラーのモジュラー型アレイを持ち、それぞれにハイエンドのモノリシックアレイとローエンドのエントリーレベルアレイがある。どこか1社が大きな革新を打ち出すと、残る各社も追随する。
ただし、フラッシュメモリのソリッドステートドライブ(SSD)だけは例外だ。EMCはこの分野に革新をもたらしたが、他社は追随していない。
EMCは2008年1月、同社のアレイ製品「Symmetrix DMX-4」向けの「エンタープライズフラッシュドライブ」(EFD)ストレージを発表した。このSSDは、データに極めて高速でアクセスできる「階層0」ストレージを形成する。もちろん値段は高いが、確かに速い。Symmetrixファイバーチャネルドライブのショートストローキング(最も速くアクセスできたトラックにデータを書き込むだけで、ほかは無視する)で高速化を図っている顧客は、このフラッシュドライブによるパフォーマンス向上を実感している。しかも、このパフォーマンス強化は相応のコストで達成できる。ショートストローキングはユーザーのGバイト当たりコストを人為的に膨らますものだったからだ。
ストレージ業界は目を見張り、そのロジックを調べてEMCにフラッシュドライブを供給しているSTECと、同社独自のファイバーチャネルインタフェースSSDのことを知った。STECはほかのストレージアレイメーカーとも交渉中だと説明し、われわれは皆、他社がEMCに続いて製品を発表するのを待っていた。ところがまだ発表は1つもなく、あいまいな関心を示しているのみだ。
EMCはさらに追い打ちを掛け、モジュラー型の「Clariion CX4シリーズ」にもSSDストレージを追加した。そこで疑問なのは、ほかのストレージアレイメーカーがなぜこれほどEMCに後れを取っているのかということだ。
EMCがSTECと結んだ契約には制約が多いとの話だったが、その契約は2008年9月で期限切れになったはずだ。また、アレイのインタフェースとコントローラーはHDDのI/O率とアクセスパターンに合わせてあるため、ストレージアレイにSSDを追加するのは難しいことも分かってきた。
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