【Q&A】Webアプリケーションのテストケースの作成時間を見積もるにはAsk The Expert:テスト計画の精度を上げる

作業内容に応じて、ボトムアップ方式でテストケースの作成時間を見積もる方法を紹介する。

2009年10月20日 08時00分 公開
[Mike Kelly,TechTarget]

質問:Webベースアプリケーションのテストケースを準備するのに必要な時間を見積もるにはどうすればいいのですか?

 わたしの場合は通常、予備的なテストを行うため、テストケースの準備ではセットアップ作業が大半を占める。これは、テストの設計と実施に向けた準備作業だ。予備テストを行わない場合でもセットアップ作業は必要だが、そのほかにもテストの設計やドキュメンテーションに関連した作業が伴う。

 わたしの場合、プロジェクトの準備では次のような作業を行う。

  • 製品、ビジネス、実施する変更に関する実際的知識を収集する
  • プロジェクトの目標、テストの目的・スケジュール・方法、チームの構成、連絡体制を把握する
  • 「プロジェクトチームが最も重視しているリスクは何か」「チームが真っ先に報告してほしいと考えているのはどういった問題なのか」を把握する
  • テストの作成に不可欠な要素(要件、製品、ツールなど)を特定し、それらを調達あるいは作成する
  • テストをサポートするのに必要なテストデータとツールを探し(あるいは作成し)、準備を整える
  • 全般的な製品環境のセットアップと構成を行う

 Webベースのアプリケーションの場合も実施する作業は同じだが、機能テストだけでなく、パフォーマンス、セキュリティ、拡張性、多言語対応といった部分にどの程度フォーカスすべきかという点にも注意を払うようにしている。具体的には、製品とビジネスの両方の観点から、これらの品質基準のさまざまな側面に注目することによって検証部分に対する理解を深めるとともに、バランスを図るのだ。また、選択した実装方法に伴う技術的リスクに関する理解を深めるために、開発目標の技術と構成に関する詳細の把握に努めるようにしている。例えば、選択したプラットフォームあるいは技術に共通するバグについて調査することもある。

 プロセスの観点から見れば、Webアプリケーションでも大きな違いはない。設計と実装の段階ではツールや具体的な手法が異なるかもしれないが、こういった違いの大部分は、どの品質を重視し、どの技術を選ぶのかといったことに起因する。

 作業の見積もりに際しては、上で述べた準備作業のそれぞれに注目し、優先すべき作業と、その準備に費やすことができる時間との間のバランスを図る。これは、最初に時間枠を設定する作業もあれば(調査など)、作業内容に応じてボトムアップ方式で見積もりを行う作業もある(負荷テスト用のテストデータの作成など)ことを意味する。ボトムアップ方式で見積もりを行う場合、わたしは作業の成果物に主眼を置くようにしている。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 株式会社ビルドシステム

「ローコード開発×内製化」失敗の理由とは? 3つの事例から得た2つの教訓

迅速なサービスの提供を実現する手段として、「ローコード開発×内製化」が注目されている。エンジニア不足の中でも、非IT部門が開発を担える点がその理由の1つだが、全てが順調に進むわけではない。失敗事例から得た2つの教訓を紹介する。

製品資料 株式会社ビルドシステム

“ローコード開発ツールを活用した内製化”を成功に導く3つのポイント

多くの企業がDXの取り組みとして、ローコード開発ツールを活用した内製化を進めている。しかし、実務で使えるアプリケーションをローコードで構築するには、いくつかの課題を解消することが必要だ。本資料で詳しく解説する。

製品資料 株式会社matchfy

マッチングサイト構築の課題を解決、ノーコードで構築できるプラットフォーム

企業がマッチングサイトを構築する際、従来は数百万円の初期開発費と数カ月の構築期間が必要だった。さらに、契約・決済・スケジュール調整・ユーザー管理などの機能も個別に開発する必要があった。このような課題を解決する方法を探る。

事例 オーティファイ株式会社

みずほリースなど9社の事例に学ぶ、テストの工数やコストを削減する秘策

プロダクトの品質を確保するためには、テストの工程が重要になる。しかし、リソースや人材の不足などさまざまな課題を抱えている企業も多い。そこで本資料では、みずほリースなど9社の事例からテストの課題を一掃する方法を解説する。

事例 オーティファイ株式会社

ソフトウェア開発のテストはこう乗り越える、8社の事例に学ぶ課題解決のヒント

ソフトウェア開発における「テスト」では、コストを抑えながら迅速に対応することが求められる。人材やスキルが不足していても、品質の確保は怠れない。本資料では、このような課題に企業がどのように向き合い、解決したかを紹介する。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...