Ask The Expert:テスト計画の精度を上げる
【Q&A】Webアプリケーションのテストケースの作成時間を見積もるには
作業内容に応じて、ボトムアップ方式でテストケースの作成時間を見積もる方法を紹介する。
質問:Webベースアプリケーションのテストケースを準備するのに必要な時間を見積もるにはどうすればいいのですか?
わたしの場合は通常、予備的なテストを行うため、テストケースの準備ではセットアップ作業が大半を占める。これは、テストの設計と実施に向けた準備作業だ。予備テストを行わない場合でもセットアップ作業は必要だが、そのほかにもテストの設計やドキュメンテーションに関連した作業が伴う。
わたしの場合、プロジェクトの準備では次のような作業を行う。
- 製品、ビジネス、実施する変更に関する実際的知識を収集する
- プロジェクトの目標、テストの目的・スケジュール・方法、チームの構成、連絡体制を把握する
- 「プロジェクトチームが最も重視しているリスクは何か」「チームが真っ先に報告してほしいと考えているのはどういった問題なのか」を把握する
- テストの作成に不可欠な要素(要件、製品、ツールなど)を特定し、それらを調達あるいは作成する
- テストをサポートするのに必要なテストデータとツールを探し(あるいは作成し)、準備を整える
- 全般的な製品環境のセットアップと構成を行う
Webベースのアプリケーションの場合も実施する作業は同じだが、機能テストだけでなく、パフォーマンス、セキュリティ、拡張性、多言語対応といった部分にどの程度フォーカスすべきかという点にも注意を払うようにしている。具体的には、製品とビジネスの両方の観点から、これらの品質基準のさまざまな側面に注目することによって検証部分に対する理解を深めるとともに、バランスを図るのだ。また、選択した実装方法に伴う技術的リスクに関する理解を深めるために、開発目標の技術と構成に関する詳細の把握に努めるようにしている。例えば、選択したプラットフォームあるいは技術に共通するバグについて調査することもある。
プロセスの観点から見れば、Webアプリケーションでも大きな違いはない。設計と実装の段階ではツールや具体的な手法が異なるかもしれないが、こういった違いの大部分は、どの品質を重視し、どの技術を選ぶのかといったことに起因する。
作業の見積もりに際しては、上で述べた準備作業のそれぞれに注目し、優先すべき作業と、その準備に費やすことができる時間との間のバランスを図る。これは、最初に時間枠を設定する作業もあれば(調査など)、作業内容に応じてボトムアップ方式で見積もりを行う作業もある(負荷テスト用のテストデータの作成など)ことを意味する。ボトムアップ方式で見積もりを行う場合、わたしは作業の成果物に主眼を置くようにしている。
例えば、プロジェクトチームがテストでどんなリスクにフォーカスしたいのかを理解するのに必要な時間を見積もるのであれば、わたしはロブ・サブーリン氏から学んだアプローチを採用するだろう。このアプローチでは、一連のブレインストーミングセッションから始め、プロジェクトの目的に関する理解に基づいて、リスク、予想される問題、テスト項目のリストを作成する。次に、技術部門とビジネス部門のステークホルダー(利害関係者)への聞き取り調査を通じて、これらのリスクの優先順位を決定し、最初のテストプランにそれを反映させる。
このプロセスの成果物は「リスクリスト」と「テストプラン」だ。次に、ここから逆算する形でこれらの成果物を実現するのに必要な作業と時間を割り出す。以下に具体例を示す。
- 最初のリスクリストを作成するには、3回程度のブレインストーミングセッション(各1時間)が必要だ
- ブレーンストーミングの結果を文書にまとめるのに、さらに2時間ほど必要となる
- 次に、リスクリストをより正確なものにするために、IT部門あるいはビジネス部門の関係者とレビューミーティングを開催する。このミーティングではアイデアの品質と精度にフォーカスする。こういったミーティングは2回(各1時間)ほど必要になるだろう
- さらに聞き取り調査を行う。これにかかる時間は1回当たり1時間と見積もっておけばよい
- 次に、最終的な結論をテストプランに盛り込む必要がある。これには3、4時間かかるだろう
この基本プロセスを各分野のテスト準備で繰り返すのだ。作成すべき成果物を最初に明確にした上で、これらの成果物を実現するのに必要な作業を特定し、それにかかる時間を見積もるというのが基本的な流れだ。
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