IFRSの初度適用:IFRS移行まで残された時間は少ないIFRSを会計×業務×ITで理解する【第10回】

IFRSに対応したITシステムを構築するための情報をお届けする。今回はIFRSの導入に当たり慎重な準備とスケジュール設定が必要となる「IFRSの初度適用」を解説する。

2011年04月26日 09時00分 公開
[原 幹,クレタ・アソシエイツ]

 これからIFRSの適用を目指す日本企業に影響が大きいと考えられる会計基準のポイントと業務プロセスへの影響、ITシステムの対応方法を解説する連載の最終回。今回はIFRSの導入に当たり慎重な準備とスケジュール設定が必要となる「IFRSの初度適用」を取り上げる。なお、以下の文中における見解は特定の組織を代表するものではなく、筆者の私見である。

 本連載は下記の構成にてお送りする。該当パートを適宜参照されたい。

IFRSのトピックス概要と日本基準との差異を解説する。

会計基準に対応するための業務サイドへの影響と対応方法を解説する。

  • Part3:ITへのインパクトと対応(本稿)

会計基準によるITサイドへの影響と対応方法を解説する。


 最終回の今回は、

  • IFRSの初度適用(IFRS第1号)

を取り上げる。

IFRSの初度適用における対応事項

 IFRSの初度適用における主なシステム上の検討事項は以下の通りである。業務上の検討事項についてはPart2も併せて参照されたい。

業務上の検討事項 検討内容(※がシステム上の検討事項)
1. 適用対象範囲の検討 ・連結の範囲の検討
・適用対象とするIFRS基準の検討
・従前の基準とIFRS基準との差異把握と対応方針の検討(グループ各社別)
・グループ各社の会計データ作成環境の確認※
・親会社とのデータ連携方法の検討※
2. 移行日に向けた必要情報の精査と準備 ・必要な決算情報の精査
・必要な財務諸表様式の精査
・注記の範囲と様式の検討
・作業工数見積もりと全体スケジュール定義
・必要データの精査とデータソースの特定※
・システム化マスタースケジュールの検討※
3. 推進体制の定義 ・プロジェクト体制定義
・スキルセット検討

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