サーバ機能とストレージを一体化した垂直統合型アプライアンス製品を、サーバ仮想化やVDIサービス、ビッグデータ向けの基盤として提案する。
米Nutanixは6月5日、日本市場の営業強化のために日本法人「ニュータニックス合同会社」(以下、ニュータニックス)を設立したと発表した。ニュータニックスは仮想化データセンター向けアプライアンス製品「Virtual Computing Platform」を提案し、今後3年間で25億円規模の事業構築を目標に掲げている。
Nutanixは、分散ファイルシステム「GFS(Google File System)」や「Oracle Exadata」の開発担当者などが2009年に設立したベンチャー企業。2011年からサーバ(コンピュート)機能とストレージを一体化した統合基盤「Nutanix Complete Cluster」を提供してきた。Virtual Computing Platformはその後継製品で、2013年4月に最新モデル「NX-3000シリーズ」を販売開始している。
Virtual Computing Platformは2Uのアプライアンス。x86サーバとSSD/HDDを組み合わせたノードを1筺体で4基まで搭載できる。独自の分散ファイルシステム「Nutanix Distributed File System」を採用し、各ノードのリソースをプール化してクラスタ構成を取ることが可能。プール間におけるリソース配分の平準化などを自動制御する。さらに、使用頻度に応じてデータの格納先を自動的に振り分ける階層化機能を備えている。
Nutanixのセールス担当バイスプレジデント マット・ヤング氏は「SAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)などでサーバとストレージ間を接続する従来のアーキテクチャでは普及が進む仮想環境の要求に対応できず、拡張性や性能の低下、システム管理面で課題がある」と指摘。一方、同社の統合型インフラは「サーバとストレージ機能を統合することでSANのボトルネックを解消。さらに、Googleなどが採用する分散ストレージアーキテクチャによって、性能を劣化することなくスケールアウトできる」と説明した。
ニュータニックス合同会社のマネージングディレクターを務める岡田卓也氏は「Virtual Computing Platformは、プライベートクラウドやVDI(仮想デスクトップ)サービス、ビッグデータなどさまざまな用途に適用可能」と説明する。
また、「サーバやネットワーク、ストレージなどのコンポーネントを組み合わせる他社の垂直統合型製品と比べて、消費電力やラックスペース、CO2の削減などに貢献できる」と強調。同社の試算では、40〜60%のコスト削減が可能だという。
日本国内の販売代理店は、日本法人設立前から製品を取り扱っている日商エレクトロニクスと、ネットワークバリューコンポネンツ、マクニカネットワークスの3社。岡田氏は「クラウド事業者やIaaSのサービスインフラとしての提案」「パートナーとの共同によるSMB向けのVDIインフラパッケージの開発」などを販売戦略として掲げた。
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