Computer Weekly製品導入ガイド
ワークロード自動化のためのベストプラクティス
あらゆる場面で、人間の介在なしに、ユーザーの要求に応じてワークロードが実行されることが求められている。こうしたワークロード自動化の要件と検討事項を解説する。
顧客中心の時代にあって、ワークロード自動化に対する圧力は増す一方だ。顧客はオンラインで銀行口座の相談や管理ができたり、次のフライトについての正確な情報を受信できるといったことを期待する。優れたワークロード自動化は、企業のプロセスをそうした顧客の期待に効率的に沿わせる一助となる。
ビジネスユーザーは一般的に、ワークロード自動化の背後にあるパワーを認識していない。セルフサービスは、データ集中型やコンピュータ集中型のプロセスを自動化するため、IT管理のプロフェッショナルとビジネスユーザーが力を合わせる絶好の機会だ。ビジネスプロセスの一部を実行するために、これをまとめようと苦心しているユーザーもいる。これはまた、ビジネスプロセス自動化に向けた最初の入り口でもある。
ワークロード自動化を運用する枠組みは、データの量、時間、精度の程度によって決まる。正確な情報を期限までに生成するためには、ワークロード自動化によってシステム間でデータをセキュアかつ安定的に転送できなければならない。また、リソースの使用を調整するためのコントロールを1カ所で行う必要がある。
企業内の多様なカスタム版アプリケーションやパッケージ化されたアプリケーションでは、リソースの衝突を避けるため、異なるバッチスケジュールを調整して統合する必要がある。作業がいつ終わるかを予想し、プロビジョニングの自動化でインシデントやリソース不足に対応すれば、作業が期日通りに終わることを保証できる。以上のような条件は全て、現代のワークロード自動化ソリューションを決定付ける重要なコンポーネントになっている。
適切なデータの抽出や掘り起こしを行うということは、その場限りの業務をこなすためにセルフサービスインタフェースを通じてワークロード自動化を利用するビジネスユーザーがますます増えるということだ。これはIT業務とビジネスとの緊密な連携のみならず、数年前までプラグインの代替として一般的だったあの手ごわいスクリプトを使わずに、非技術系のユーザーがワークフローを規定できるレベルの抽象化につながる。
主な要件
現在必要とされる要件は、全社的な進化から、最先端のビジネスプロセス自動化のための作業スケジュール製品まで多岐にわたる。だがいずれも突き詰めれば、利用可能なインフラ上でアプリケーション実行管理を改善することに尽きる。理由は単純だ。もはやバッチ処理が夜間に行われることはなくなり、しかも実態はバッチ処理ではなく、むしろ非同期処理になっている。これは時間がかかりすぎてオンライントランザクション処理の対象にはできず、リソースが許す限りいつでも実行できるタスクの実行を指す。ここから3つの条件に結び付く。
◯1.中央コントロール
まず第1に、複数の作業を管理するためにコントロールを一元化しなければならない。コードをコンパイルする開発者から典型的な非同期プロセスを実行するビジネスインテリジェントユーザーまで、社内の全員によるプロセススケジューリングが必要だ。また、こうした作業が同じインフラ上で実行されることから、ワークロード自動化は棒の上で皿を回すのに等しい。根本的には、互いに衝突することなく回し続けられるよう、誰かが気を配らなければならない。
従ってワークロードの自動化は、社内横断的で、リソース使用を認識し、ITシステムのモニタリングに連結する必要がある。これは自動化ソリューションを既存のソリューションと統合することによって、あるいはモニタリング機能をその中に含めることによって実現できる。後者はあまり一般的ではないが、そうした機能を搭載して完全性を高めた自動化スイートが台頭しつつある。ベンダーの間ではこの機能は一般的だ。だが、もっとリッチな製品ファミリーや、BMC Software、CA Technologies、IBMといった大手ベンダーのサードパーティーエコシステムは、こうした統合を通じて優位に立つ傾向がある。一方で他のベンダーは正当な道を進んでいる。ASGは自動化機能をIT管理ソリューションに統合し、ORSYP SoftwareによるSysload Softwareの買収では同社の自動化スイートのパフォーマンスが向上し、容量管理機能が加わった。
◯2.予定通りの完了
どのようなソリューションにも必要な第2の要件として、プロセスは予定通りに完了する必要がある。カレンダー、イベント、セルフサービストリガーのいずれに基づいてプロセスのスケジュールを組んだ場合でも、その多くは顧客やコンシューマーに正確な情報を届ける上で不可欠だ。従って、まず第1に作業処理時間を予測できる能力、第2に実際の処理をコントロールできる能力、第3に障害が起きたり容量が不足したりした場合に備えて代替の処理プラットフォームの準備が必要だ。
これを支えるため、どんなプロセスの実行もパフォーマンス、可用性、容量の要因によって制御する必要があり、サービスの挙動を分析することによって適切な対応を誘発させなければならない。そうした誘因は、ビジネスニーズによって決定されるサービス目標に結び付けるのが最も効果的だ。この能力は、過去の実績(例えば1年のその時期にその作業のため使われれるリソースなど)、リソース予想(容量管理に基づく)、あるいは予想分析をベースとして、実行リソースの計画を立てるために使われる。
◯3.セルフサービスの自動化
3番目の条件として、ユーザーからは自動セルフサービス機能を求める声が強まっている。これは、ITプロセス自動化とビジネスプロセス自動化が出会う第1段階だ。このプロセスのエンドユーザーは、IT部門の担当者が関与しなくても、サービスカタログから選択して自分たちでプロセスの実行を開始できる。この段階の自動化は、完成されたプロセススイートを提示するか、組み合わせて新しいプロセスを構成できる再利用可能なコンポーネントを提示するかのいずれかだ。最終的には、自動的にリソースをプロビジョニングして事業目標を達成するためにアプリケーションをロードするビジネスプロセス手順の実行を、ユーザーが計画できる。
ワークロード自動化への次のステップ
企業におけるワークロード自動化の役割は拡大している。複数のスケジューラーを1つの中央ソリューションに入れ替えることは成長分野の1つであり、大手ベンダーが提供するSaaSによって加速されるだろう。多くの場合、この動きはまだ進行中だ。現時点では恐らく、SaaS市場で3年の経験を持つRedwood Softwareのソリューションが最も先端を行っている。
ただ、ワークロード自動化市場で成長が見込めるのはこれだけではない。このソリューションは、ビッグデータ分析や、リリース管理、変更管理といったその場その場のプロセス自動化の監修など、企業内の他の活動のコントロールにも応用できる。ワークロードとプロセス自動化の融合は、リリース管理などのソフトウェアソリューションの専用モジュールを実行することによって、ワークロード自動化のコントロールの下で形作られる。
ITプロセスの自動化のために現在使っているツールは、いずれ拡張されてビジネスプロセス自動化のためのものになる。ツールに関する意思決定を戦術から戦略へと切り替えるためには、現代のニーズに対応しながら同時に今後のアーキテクチャに関する展望も満足させてくれるベンダーを選ぶ必要がある。この市場で商品を選定するためには、インフラ、アプリケーション、組織に関する会社の戦略展開をしっかり理解しておく必要がある。主な条件の一覧を作成し、優先順位を付けて、現在市販されている製品と今後1~2年で登場する製品が提供する機能を比較しなければならない。
本稿はForrester Researchの報告書「Market Overview: The Top 10 Workload Automation Vendors, Q1 2014」(2014年第1四半期のワークロード自動化ベンダートップ10)より抜粋。ジャンピエール・ガルバニ氏はForrester Researchの副社長兼主席アナリスト。
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