ファイル共有&コラボレーションツールとして人気のBoxとDropbox。企業はどちらを選ぶべきか? 両社の微妙に異なる企業向けアプローチと事例を紹介する。
ドキュメントをファイルサーバで共有するのは柔軟性に欠ける。この状態を脱却するには、「Box」と「Dropbox」のどちらの“箱”を採用すべきだろう。
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BoxはCIOとIT部門をターゲットに据え、ITのコンシューマライゼーションによって生じる課題に対処する。これに対してDropboxは、コンシューマー向けクラウドストレージとして産声を上げたが、利用者が職場と自宅でドキュメントを共有するようになったことからビジネス分野でも存在感を示すようになった。
英ロンドンで開催された「Box World Tour 2015」で、米Boxのジェネラルマネジャー、ホイットニー・ブック氏はComputer Weeklyのインタビューに答え次のように語った。「人々はコンシューマー向けツールを職場に持ち込むようになったが、CIOはそれらのツールが社内データを適切に保護しているとは考えていない」
コンシューマー向けツールの企業版は、使いやすく、コンシューマー向けソフトウェアと同様の機能を提供しなくてはならないと同氏は話す。
同氏が米EMCからBoxに転職したのは4年前のことだ。それ以来ずっとBoxの信頼性構築に時間を費やしているという。その過程で、企業をターゲットにする営業部門や企業ITとBoxを統合するための実装サービスグループを立ち上げた。
「顧客に寄り添うことが何よりも重要だ」と同氏が語るように、Boxは世界中にオフィスを設立している。
また、同氏は「Box自体はそこまで複雑ではないが、状況によっては複雑な問題が発生する。例えば、10万人に展開する場合や、米Microsoftの『Active Directory』と統合してグループにアクセス権を与える場合、米Salesforce.comと確実に統合する場合などだ」とも付け加えた。
Boxの企業戦略の3つ目の柱は製品開発だ。製品に足りないところを埋めようとする試みがなされている。最近Boxに施された強化点として、ISO 27001認証取得、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)への準拠、エンタープライズ向け暗号鍵管理などがある。同氏によると、ユーザーが暗号鍵管理を行えるようにするのは、まだBoxがヨーロッパにデータセンターを開設していないことから生じる懸念をいくらか払拭することが目的だという。
データセンターが米国にしかないにもかかわらず、Boxは英国の大手公共機関を多数顧客にしている。スコットランドのダンディー大学は、2万5000人の教職員と学生にBoxを展開している。教職員は評価、学生は研究のために、生産性が高く共同作業しやすいプロジェクトを構築している。
Boxが最先端の審議サービスに用いられている、ピーターバラ市議会も大手ユーザーの1つだ。2015年5月、同市議会のデジタル担当副部長リチャード・ゴッドフリー氏はComputer Weeklyに次のように語った。「データセンターが米国にあるのでBoxは利用できないという声も聞こえる。機密データにはそれが当てはまるかもしれないが、ほとんどのデータには当てはまらない。Boxの展開はIT部門ではなく管理チームが行っている」
コンシューマー向け製品としてスタートしたDropboxは、無償のサービスがコンシューマーの心をつかんだ結果、有料版の「Dropbox プロ」のユーザー数も10万人を突破した。その「コンシューマー向け」という点を利用して、エンタープライズ市場にも参入した。
「自宅でDropboxに慣れたコンシューマーが職場にも持ち込むようになる」と語るのは、米Dropboxの最高執行責任者デニス・ウッドサイド氏。
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