アプリケーション開発の内製化を図る企業が国内でも増え始めている。その背景には何があったのか。内製化トレンドで再び脚光を浴びる「超高速開発ツール」とは?
企業ITの世界で、“シャドーIT”という言葉を耳にする機会が増えてきた。これは、業務部門のユーザーがIT部門を通さず、独断でファイル共有サービスなどのSaaS(Software as a Service)やWebアプリケーションを利用したり、私物のスマートフォンやタブレットで業務を行ったりする行為を指している。こうした行為は、データ漏えいやコンプライアンス違反を招きやすいとして批判される傾向にある。だがビジネスユーザー側からすれば、「IT部門に依頼すると遅い」という不満が常に存在する。ビジネスのスピードは日々高速化しているにもかかわらず、もしIT部門の調達速度が数年前から一向に変わる気配を見せないのであれば、より速く、直接的に自分たちの課題にリーチしてくれる外部のサービスやBYOD(私物端末の業務利用)に頼りたくなるのも無理はない。
一方で、IT部門側にも変化の兆しが見えている。以前ならアウトソースで済ませていた業務アプリケーションの設計、構築、保守の一部を自らの手で行い始める企業が増えているのだ。特に、いわゆる“超高速開発ツール“と呼ばれるツールを導入し、スピードにこだわってアプリを内製するケースが目立つようになってきている。
こうした業務アプリケーションをめぐる業務部門/IT部門の双方の明らかな変化は何を物語っているのか。今回、ガートナー ジャパン リサーチ部門 アプリケーション開発 リサーチディレクター 片山治利氏に、国内企業の業務アプリケーションに対するアプローチの変化について聞いた。
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