フルディスク暗号化は最後の砦
Windows 10のフルディスク暗号化、「BitLocker」が有力な選択肢になる訳は?
Microsoftが提供しているフルディスク暗号化機能「BitLocker」に「Direct Memory Access」や「Azure Active Directory」などの新機能が加わった。Windowsを利用する企業にとってどんなメリットがあるのだろうか。
IT管理者は、ユーザーのノートPCおよびその中に保存されている個人情報を保護するのに、どんな手段を使うかを決めなくてはならない。
「Windows」搭載デスクトップの保護に関していえば、Microsoftのフルディスク暗号化技術である「BitLocker」が無償だからといって、それが最適な選択とは限らない。ディスク暗号化機能を提供するWindows拡張機能であるBitLockerには、過去に、隠れたコストや既知の脆弱(ぜいじゃく)性など、企業での使用に最適とはいえない理由がたくさんあった。特に、「Windows Vista」時代および「Windows 7」の登場間もないころはそうだった。SymantecやWinMagicなどのサードパーティーベンダー各社は、BitLockerのフルディスク暗号化機能に代わる有力な製品を提供していた。
しかし今では状況が違う。BitLockerは企業のどんなニーズに応えるのか、また本格的に導入できるほどに成熟したのか検証してみよう。
なぜフルディスク暗号化が必要なのか
暗号化されていないノートPCや、その他の物理的弱点を抱えるクライアントPCのリスクは明白であり、それを数値化することも可能だ。IT部門はこうしたリスクを軽減するために、データ流出防止技術やクラウドアクセスセキュリティブローカーといった対策を講じているだろう。どちらも有効な対策ではあるが、フルディスク暗号化の代わりにはならない。Windowsエンドポイントで他の全ての対策が失敗した場合に最後の強力な防衛ラインとして機能するのがフルディスク暗号化であるからだ。
企業規模の大小にかかわらず、フルディスク暗号化をまだ活用していない企業はまだ多い。長期的視点を欠いた、こうした姿勢こそが、データ流出とそれに伴う問題の最大の原因の1つである。
企業にとってBitLockerのメリットとは
BitLockerが「Windows 8」で改善され、さらに最近では「Windows 10」で改善されたことを考えれば、IT管理者がBitLockerによるフルディスク暗号化を検討しない理由はない。もちろんこの技術はあらゆる状況で完璧だとはいえないが、より強力なセキュリティを求めているWindows利用企業にとって非常に強力な選択肢になり得る。
BitLockerの最近の改善と新機能は、悪用可能な脆弱性や一元的管理の欠如などをめぐる数々の懸念を取り除くものだ。主な新機能は以下の通り。
- Direct Memory Access(DMA)ポートの制御機能は、長年の懸案だった暗号化ドライブに対するコールドブート攻撃の防止に役立つ
- Azure Active Directory(AD)ドメインに参加しているWindows 10システムの復元キーを管理者が暗号化できる
- XTS-AES暗号化のサポートは、既知の暗号文攻撃を防ぐのに有効であり、米連邦情報処理規格(FIPS)にも対応できる
これらの機能に加え、企業がBitLockerを真剣に検討すべき重要な理由として、「System Center Operations Manager」用管理パックの1つである「Microsoft BitLocker Administration and Monitoring」(MBAM)の存在が挙げられる。MBAMは暗号化ポリシーの構成、管理、適用のための一元的ツールを管理者に提供する。BitLockerで保護したエンドポイントの管理に役立つ多数のグループポリシーとPowerShellコマンドレットも用意されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
比較資料
[セコムトラストシステムズ株式会社] 「自社に合うEDR」はどれか分かる? 比較・検討時の見極めポイントを解説 -
製品資料
[アルプス システム インテグレーション株式会社] まだ社内で眠らせたまま? AI活用の糧となる「データ資産」を有効利用するには -
市場調査・トレンド
[AvePoint Japan株式会社] “SCS評価制度”対応の第一歩、自社環境と要求事項とのギャップを把握する方法 -
製品資料
[株式会社BREXA Technology] 情報整理の自動化でインシデントの初動対応を効率化、AIエージェント活用のコツ -
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
2
「WSUS」終了の時限爆弾 “本命”移行先ツールとMicrosoft提唱の新管理手法
-
3
Claude Codeでは「エージェントを作るな、スキルを作れ」 Anthropicが示すAI構築術
-
4
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
5
VMware離れの決め手は“機能”以外だった 情シス109人が選んだ新基準と死角は
-
6
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
7
「ERP(統合基幹業務システム)の導入・活用」に関するアンケート
-
8
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
9
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
10
「IBM i(AS/400)はクローズドなシステム」という誤解 DXに寄与する一歩
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
2
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
3
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
4
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
7
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
8
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
9
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
10
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー