「荒れ狂うストレージ業界に大きな変化が押し寄せている」――こう話すのは、ガートナージャパンのリサーチ部門でバイスプレジデントを務める鈴木雅喜氏だ。SANやNASのような専用ネットワークで接続するネットワーク型ストレージやテープストレージ(本稿ではこれらを便宜上「従来型ストレージ」と呼ぶ)のベンダーは現在、苦戦を強いられている。一方、ユーザー企業にとっても、従来型ストレージ以外の選択肢が増え、ストレージ選びが難しくなってきている。鈴木氏は「ビジネス部門を中心に動いているプロジェクトでは、すぐに使えるクラウドサービスのストレージを選びがちだが、失敗しているところも多い」と注意を促す。本稿は、ガートナージャパンが2017年4月に開催した「ガートナー ITインフラストラクチャ & データセンター サミット 2017」から、鈴木氏の講演「荒れ狂う海を進む:ストレージ業界の現在と未来」の内容をリポートする。
1990年代にストレージシステムの概念が生まれて以来、ストレージ市場は幾度かの危機を乗り越え、今や世界で200億ドルを超える大きな市場へと育った。だが近年、その成長に歯止めがかかっている。鈴木氏は「ストレージ市場は2015年に変調のタイミングを迎えた。2016年から2020年にかけては年平均マイナス2.7%と縮小傾向の見方になった」と述べる。この背景には、クラウドサービスやハイパーコンバージドインフラ、SDS(ソフトウェア定義型ストレージ)技術の台頭が影響していると見て間違いないだろう。また、「データ圧縮技術の進歩によって、ハイエンドストレージへの需要が減ったことも市場が伸びない要因」(鈴木氏)だと考えられる。
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