ANAが“モバイル+API連携”で目指す「到着のその先」とは出発時刻、到着時刻を案内するだけではまだ足りない

「Oracle Cloud」の「API Platform Cloud Service」を使うことで、ANAグループは顧客にどのような価値を提供しようとしているのか。今後目指す顧客目線での情報提供の在り方とは。ANAシステムズの話から探る。

2018年02月01日 05時00分 公開
[重森 大]

 日本オラクルが2017年12月に開催したイベント「Oracle CloudWorld Tokyo 2017」。クラウドやFinTech(金融とITの融合)などをテーマに数多くのセッションを展開し、参加者にとって自分の興味分野に照らしてOracleの最新情報が得られる網羅的なイベントとなっていた。「デジタルイノベーションを加速するために」と題した、全日本空輸(ANA)グループのシステム構築を担うANAシステムズの導入事例セッションでは、現在の最新情報だけではなく将来の可能性にまで話題が及んだ。Oracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud」のAPI管理サービス「API Platform Cloud Service」を使うことで、顧客にどのようなベネフィットを提供しようとしているのか。そこに、ANAシステムズが考える顧客目線での情報提供の将来像が垣間見えた。

ANAが持つ情報を関連他社システムやデバイスと連携

日本オラクル 西川彰広氏 日本オラクル 西川彰広氏

 日本オラクルの西川彰広氏(CloudPlatformソリューション本部)は、企業ITは2つに分類できると紹介した。日々の業務を確実に遂行するためのITと、ブランド、差別化、市場をリードするためのITだ。前者がいわゆるSoR(Systems of Record)、後者がSoE(System of Engagement)に該当する。「これらを今風に言い換えると、オートメーションとオープンイノベーションということになるでしょう」(西川氏)

 別の切り口として、オンプレミスとクラウドというITの分け方もある。自社にとって重要なデータをオンプレミスで扱う企業は少なくない。その半面、オープンイノベーションを進めるには他社のシステムとも連携しやすいクラウドが優位になる。クラウドサービスとして提供されるマネージドサービスの多くは、標準でAPIを備えていることが多いためだ。オンプレミスや、オンプレミスとクラウドのハイブリッド型で業務システムを構築している場合にはAPIを自社で開発し、セキュリティを確保した上で他社システムと連携することになる。

 こうした自社開発の手間を削減するためにOracleが提供しているのが、Oracle API Platform Cloud Serviceだ。オンプレミス、クラウドを問わず安全性を確保してAPIを公開できるマネージドサービスで、セキュリティ機能も備える。ユーザー企業の既存システムに大きな改変を加えることなく、他社システムとの連携を可能にする。

 Oracle API Platform Cloud Serviceのユーザー企業の1社であるANAシステムズは、ANAやその提携航空各社の運航情報を管理している。同社はOracle API Platform Cloud Serviceを使って提携する航空各社のシステムを連携させた。ANAシステムズの上田晃裕氏は、「航空各社の運航情報をANAのWebサイトではなく、各航空会社のWebサイトで公開したいという要望があった」と述べる。

ANAシステムズ 上田晃裕氏 ANAシステムズ 上田晃裕氏
会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

事例 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート

従業員の要望に迅速対応、トヨタファイナンスに学ぶシステム開発の内製化

事業環境が急速に変化する中、業務改善のためのシステム化やデジタルテクノロジーの導入要請に俊敏に対応できずにいたトヨタファイナンス。この課題を解決し、即効性のある業務効率化を実現した同社の取り組みを紹介する。

事例 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート

ローコード開発で9割の社員が負荷軽減を実感、SOMPOホールディングスの協創DX

グループ一体でDXを推進するSOMPOホールディングス。同グループ最大の事業会社である損保ジャパンでは、Notesからの脱却に加え、ローコード開発により短期間での業務ワークフロー構築を実現し、大きな成果をあげている。その実現方法とは?

製品資料 株式会社ネオジャパン

製造業のデータ活用を促進、ノーコード開発ツールを用いた“見える化”の進め方

基幹システムに蓄積された情報を効率的かつ効果的に活用するには、データを見える化することが不可欠だ。見える化の必要性を確認しながら、ノーコード開発ツールを使い、データの有効活用を実現する方法を紹介する。

比較資料 株式会社ネオジャパン

自社に最適なノーコードツールは? 主要製品を機能やコストで徹底比較

DX推進の鍵となる「内製化」や「ITの民主化」に大きな効果をもたらすとされているノーコード・ローコードツール。本資料では、選定時の重要ポイントを紹介したうえで、国産ツール3製品を対象に、機能・コストを徹底比較する。

事例 株式会社ネオジャパン

ノーコードで現場に即したアプリを作成、事例に学ぶ業務効率化への取り組み

さまざまな業務でデジタル化が進む中、ノーコード業務アプリ作成ツールを活用して成果を生み出す企業が増えてきた。本資料では、業務効率化や脱Excelを実現した6社の事例を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...