Windowsのリモートデスクトップが狙われる
Windows XPにもパッチを提供 脆弱性「BlueKeep」はなぜ危険か
Windowsの「リモートデスクトップサービス」で「BlueKeep」という脆弱性が発見された。100万台近いエンドポイントが依然として無防備だという報告を受け、Microsoftはパッチの適用を再度呼び掛けた。
Microsoftは脆弱(ぜいじゃく)性「BlueKeep」への警戒を喚起するため、サポートが終了したOSにもパッチを提供した上で再度警告し、対策を促した。
BlueKeepはWindowsの「リモートデスクトップサービス」で見つかった脆弱性だ。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の「WannaCry」と同じく、ネットワーク内のエンドポイントを侵害する「ワーム型」の可能性が高いとみられる。Microsoftは2019年5月14日、“Patch Tuesday”と呼ばれる月例アップデートで、サポート対象OSに加え、サポートが終了した「Windows XP」「Windows Server 2003」用のパッチも配信した。これに合わせ、同社のセキュリティ機関Microsoft Security Response Centerでインシデントレスポンス担当ディレクターを務めるサイモン・ポープ氏は、BlueKeepのパッチを適用する重要性について注意喚起した。さらに同月30日にも再度、パッチの適用をあらためて呼び掛けた。
「このバグに対して脆弱な状態のままパブリックインターネットに接続している機器が約100万台ある」。2回目の呼び掛けの前、セキュリティ研究組織Errata Securityのオーナーを務めるロバート・グラハム氏はそう述べた。
専門家はBlueKeepを悪用したエクスプロイトの存在を確信
ポープ氏はパッチ適用の勧告で「攻撃者がBlueKeepを悪用しない可能性もあるが、その可能性は考えるべきではない」と述べた。
「BlueKeepを放置したエンドポイントがインターネットに1台接続しているだけでも、そこからマルウェアが社内LANに侵入して拡散し、社内中のコンピュータに感染する危険性がある」とポープ氏は説明する。社内システムに最新の修正プログラムを適用していないと、事態はさらに深刻化する恐れがある。修正済みの脆弱性を悪用しようとする新しいマルウェアがこれから出現する可能性もあるという。
ポープ氏は「まだネットワーク拡散の兆候はない」と述べる一方で、「『BlueKeepを悪用するエクスプロイト(攻撃コード)の存在』をMicrosoftは確信している」とも主張する。そこには根拠がある。既にセキュリティ研究者が作成したPoC(概念実証)プログラムが存在しており、その後幾つかのエクスプロイトが開発用リポジトリサイト「GitHub」で公開されているためだ。McAfeeのリードサイエンティスト兼上級主席エンジニアのクリスティアン・ビーク氏によると、PoCエクスプロイトを実用化した疑いのあるプログラムが5万ドルで売られているという。
「公開しなければパッチは不要」は誤り
BlueKeepに対するパッチ適用の緊急度を示す情報は他にもある。リモートデスクトップサービスで利用するリモートデスクトッププロトコル(RDP)のトラフィックが暗号化されている場合、BlueKeepはセキュリティ対策を回避し、検知をすり抜ける可能性がある――。Cisco Systemsのセキュリティ研究機関Cisco Talosに所属する研究者のブランドン・スタルツ氏は、同機関の公式ブログ記事でそう指摘する。
「ここ数年、さまざまなWindowsのサービスに関連して注目度の高い脆弱性が見つかっている。これらのサービスの少なくとも一部はインターネットに露出させるべきではない」とスタルツ氏はブログ記事に記載。明示的な要求がない限り、RDPやSMB(Server Message Block)などのプロトコルを無防備にさせないようにする対策が必要だと指摘する。ただし「パッチが不要になるわけではない」と、同氏はブログ記事で説明。「パッチの適用はセキュリティの中心にある基本概念の一つであり、今回の件もその一例だ」と続ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社ビザスク] 製造業の新事業創出 成功の鍵は「タラレバ問題克服」と「3つの判断ポイント」 -
製品資料
[日本シーゲイト株式会社] 実験のやり直しを防止 研究データ基盤に求められる高可用性ストレージとは -
製品資料
[株式会社Leaner Technologies] もっと安く買えるのに…… 間接材購買で“コスト削減機会”を逃さないためには -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] フィールドサービスの熟練技術者が「AIエージェント」を求めている理由 -
製品資料
[株式会社グリーンフィールド・オーバーシーズ・アシスタンス] 基礎から分かる「就労ビザ」 アメリカ進出を目指すなら知っておきたい取得戦略
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
-
2
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の機能とスペックを徹底比較
-
3
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
4
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
5
仮想化環境の死角を“未知の脅威”が狙う時代――新たな敵をどう見破るか?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
8
高額GPUを買っても成果ゼロ? 「プライベートAI」の落とし穴
-
9
「Excel至上主義」と“謎マクロ”の限界 属人化リスクを断つ業務移行の勘所
-
10
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
登録セキスぺが語る「SCS評価制度」の舞台裏 星を取得すべき理由と対応のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
OSSでは困難 100超のサービスを持つマネーフォワードが実践した統合監視術
-
4
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
7
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
8
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
9
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー