2023年3月、Ferrariはランサムウェア攻撃を受けたことを発表した。攻撃を仕掛けたのは誰で、どのような情報を欲しがったのか。
イタリアの自動車メーカーFerrari(フェラーリ)は2023年3月、同社のITインフラがランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃を受けたことを発表した。攻撃により、同社顧客の個人情報が流出した可能性があるという。どのような情報が影響を受けたのか。
フェラーリが公開した声明によると、流出したのは顧客の氏名、住所、電話番号といった個人情報だ。2023年3月20日(現地時間)時点までの調査では、顧客の車両や財務に関するデータは流出していないという。同社は攻撃者から「ある特定の顧客の連絡先」に関する身代金の要求を受けたとも伝えた。攻撃者が誰なのかには言及していない。
身代金の要求を受け、フェラーリはサイバーセキュリティ専門企業の協力を得て、直ちに調査を開始。捜査を実施することになっている機関に、情報を提供したことを明らかにした。
声明によると、フェラーリは同社のセキュリティポリシーとして身代金を支払うことはない。「身代金を支払うことで、攻撃者に資金を提供し、攻撃を長引かせることになる」というのがその理由だ。
「身代金を払う代わりに、ランサムウェア攻撃を受けた事実を伝えることが最善の策だ」と考えたフェラーリは、攻撃によるデータ流出の可能性を顧客に周知した。同社は「顧客の機密保持の重要性を深刻に受け止め、専門家の協力を得て、ITインフラのセキュリティを強化する」と説明する。
「ランサムウェア攻撃と身代金の要求は、フェラーリの通常業務とフォーミュラ1(F1)世界選手権に出場している同社のレーシングチームには影響しない」と文書は付け加える。
後編は、フェラーリの対処から得られる学びを整理する。
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