日本アイ・ビー・エム主催のプライベートイベント「LotusDay 2008」が、7月15日、16日に都内で開催された。事前登録者は2000人近くに達し、49社のパートナー企業が出展するなど、Lotusブランドの健在ぶりを示した。
基調講演に先立ち、あいさつに立った日本アイ・ビー・エム 専務執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦 浩氏は、「“全方位コラボレーション”をキャッチフレーズにする通り、Lotusはさまざまな場面において多彩なツールを活用した生産性の向上、業務改革を推進するツール群の確立を目指している。今後、『Lotus Notes/Domoino 8』や『Lotus Sametime』『IBM Mashup Center』などのツール連携によって、エンタープライズ環境とその外側で起こっているWeb 2.0のムーブメントをスムーズにつなげるものにしたい」と述べる。
Lotusブランドは、データベースの「DB2」やソフトウェア開発の「Rational」、アプリケーションサーバの「WebSphere」、統合運用管理の「Tivoli」といった同社のソフトウェア5事業の中でも最も古い歴史を持つ。一方で、Lotusはユーザーとのインタフェースをつかさどるツールであるため、時代を先取りして研究開発を続けているという。
「20世紀末には既に100万を超えていたLotusユーザーは、現在その数倍に増加している。今後はポータルやWebとの融合を通じて、ユーザーのワークライフバランスを大きく改善する技術になっていくだろう」と三浦氏は語り、今後の発展にも自信を見せる。
そして、基調講演では、日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 Lotus事業部 事業部長の澤田千尋氏が登壇。「個と個のつながりを強化する3つの要素、『Communication』『Coordination』『Collaboration』でLotusは長年製品を提供してきた」と語る。
2008年1月にフロリダで開催された「Lotusphere2008」でも、2010年までに数多くの製品をリリースしていくロードマップを発表しているが、澤田氏はそれら注目される新製品の状況についてあらためて報告した。まず、「Lotus Sametime 8.0」の紹介では、「Lotus Sametime Entry」が既にNotes 8に組み込まれ、チャットや在席管理の基本機能が利用可能になっている。また、VoIPによる電話機能の融合を狙い「Sametime Standard」では音声チャットやWeb会議を提供。「Sametime Advanced」ではチャットルームなどの新機能が加わるという。さらには、複数のPBX網をつなぐハブとなる「Sametime Unified Telephony」の製品発表も予定している。
さらに、7月2日に発表した「IBM Mashup Center」は、Lotus Notes/Dominoに次ぐ第二のエンドユーザーコンピューティングとして大きな期待が寄せられているという。従来のIT部門が維持管理する全社的アプリケーションとは異なり、IT部門の支援なしにユーザー自身がアプリケーションを作るエンタープライズシステムとなる。
2008年の夏以降出荷されるNotes 8.0.2ではクライアントのパフォーマンスを向上させ、Domino 8.5によるWebアプリケーションではUIをよりインターネット的に改善するという。なお、Notes 8からOpenOffice.orgのサブセットを「IBM Office Productivity Tool」として標準搭載したが、「Lotus Symphony」ではOpenOffice.orgの有償サポートを日本でも開始する。上限2万ユーザーを条件に、年間357万5000円(税別)の固定料金で利用できるというこのサービスでは、仮に2万人で利用した場合、1人年間180円というコストパフォーマンスが売りとなる。
また、Notes関連では「Atlantic」と呼ばれるプロジェクトも進行中で、「SAP ERP」とLotus Notes/Dominoとの組み合わせをカスタマイズなしに利用できるアプリケーション製品が、2008年中に出荷される計画だという。
加えて、サーバOSやLotus Notes/Dominoを搭載した小型のアプライアンス製品「Lotus Foundations」も出番を待っている。これは50~100ユーザーといった中小規模ユーザー向けの製品となる。
最後に澤田氏は、「日本のCEOが変革を目指すためには、既存インフラを有効に活用することがカギになる。これまで培ったLotus Notes/Dominoの情報基盤を今後どのように利用し、新たなコラボレーションツールをいかに取り入れていくかが重要になる」と語り、基調講演を終了した。
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