本連載ではEDIによる業務効率化やマーケティングへの応用について解説してきた。今回は視点を若干変えて、EDIの普及に伴って新たに考えなくてはならない問題について説明したい。
【第1回】小売業・卸売業のIT部門が流通BMSの導入前に考えるべきこと
【第2回】メーカー・卸間EDIの歴史に学ぶ、“徹底して標準を守る”重要性
【第3回】流通BMSが進展した後のSCM理想像とメーカー・卸・小売の役割
【第4回】日本のティッシュはなぜ安い? 業界標準EDIが実現する日本型SCM
【第5回】EDIの進化──マーケティングへの応用と流通業界横断の情報共有ネットワーク
【第6回】「問題解決型IT活用」を実現する情報化時代の経営の在り方
【第7回】流通業のインフラ「EDI」におけるBCPの重要性
【第8回】大手卸売業の事例に学ぶ流通業のCIOに求められる適性
防災月間である9月には、防災の日を中心に全国各地でさまざまな防災訓練が行われる。過去に発生した大規模災害の教訓を生かし、日ごろから災害への意識を高めようという取り組みである。
防災に関連するキーワードとして近年注目されているのが、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)である。これは、自然災害や大火災、テロ事件など、事業が存続できなくなるような緊急事態が発生した場合のリスクを想定し、事業継続に必要な最低限の業務や、復旧時間と対応策などを定めた行動計画のことである。いわゆる、従来のリスクマネジメントの中の「事業の継続」に重点を置いたマネジメント計画といえる。
流通業でいえば、地震などの大規模災害が発生した場合、「商品の供給を滞らせないためにどうすべきか」「万一、供給がストップしたら、どのくらいの時間で復旧できるか」ということが焦点になる。システムを担当する読者諸氏も日々頭を悩ませているテーマかもしれない。
トイレットペーパーやシャンプー、洗剤、化粧品など、人々の生活に密着した商品は、日本各地どこでもたやすく購入できる。それは、資材サプライヤーからメーカー、卸売業、小売業までを結ぶサプライチェーン全体の流通システムがきちんと機能しているからだ。その要となるのが、資材サプライヤー・メーカー間および、メーカー・卸間をつなぐEDI(Electronic Data Interchange)、卸・小売間をつなぐEOS(Electronic Ordering System:電子発注システム)である。
当社が提供するEDIサービスのユーザー企業だけを例に挙げても、日用品・化粧品などを扱うメーカーや卸売業の約1000社が共通のEDIサービスを利用して、受発注、請求、在庫データといった取引に必要なデータをやりとりしている。データ量は伝票の行数に換算すると毎月平均1億行以上になっており、消費財流通業界にとって重要な通信インフラとなっている。それだけに、システムによる受発注業務の省人化が進んでいる企業ではEDIネットワークへの依存度も高く、もはやEDIなしではビジネスが成り立たない企業も少なくないだろう。
もしこうした状況下でネットワークに障害が起きれば、流通機構全体が機能しなくなり、消費者への商品供給も滞ってしまう。第一次オイルショックで洗剤やトイレットペーパーが不足して、主婦たちが一斉に店頭の商品を買い占めるというパニックが起こったように、社会生活全体に大きな支障を来すことも想定できる。それだけでなく、供給サイドは企業としての信頼も失ってしまいかねない。
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