2011年クラウド業界を振り返る ~IaaSの発展、混沌としたPaaS業界の行方クラウドガバナンス座談会【前編】

2011年は日本においてIaaSが非常に発展した年だった。専門家8人が、2011年印象に残ったクラウドサービス、今後注目のPaaS、事業継続におけるクラウドの活用について語り合った。

2011年12月27日 09時00分 公開
[荒井亜子,TechTargetジャパン]

 2011年は3月のAmazon Web Services(AWS)東京データセンター開設を皮切りに、日本でIaaSが非常に発展した年だった。また、多くのPaaSも登場した。クラウドインフラが技術的に整いつつある中、2012年は企業がいよいよ本格的なクラウド利用に向け、リアルに導入を検討する年になるだろう。それに伴い、クラウドへのデータ移行・連携、クラウドセキュリティやガバナンスといった課題は重要なテーマとなりそうだ。

 TechTargetジャパンでは2011年12月13日、クラウド利用促進機構(CUPA)荒井康宏氏の協力の下、クラウドガバナンスをメインテーマに専門家8人を迎えた座談会を開催した。今回から2回にわたりその模様をお伝えする。これからクラウドを導入する企業にとって、クラウドの魅力と課題が伝わり、導入へのステップにつながる記事になれば幸いだ。

登壇者

モデレーター

荒井康宏氏 一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)理事。「オープンクラウドキャンパス」事務局長。さまざまな活動を通して企業と個人におけるクラウドの利用促進と普及に努めており、クラウド事業者や利用者への技術支援も行っている。

パネリスト(50音順)

渥美俊英氏 電通国際情報サービス クラウドエバンジェリスト。90年代からインターネットバンキング、電子認証、セキュリティの技術開発を担当。最近は、業務システムのクラウド利用を推進中。オープンソースビジネス推進協議会(OBCI)副理事長、NPO法人Seasarファウンデーション理事。

大井哲也氏 TMI総合法律事務所 弁護士。IT関連や国際企業取引などを専門に、セミナー、執筆など多方面で活動。東京弁護士会、経営法曹会議、ISMS認証機関公平性委員会委員、クラウド利用促進機構 法律アドバイザー。

加藤 章氏 電通国際情報サービス ビジネス統括本部 クラウド事業推進センタ クラウドストラテジスト。クラウドに軸足を置いて調査、企画、情報発信、営業支援および社外とのアライアンスを担当する。連載「企業向けシステムを構築するパブリッククラウド」を担当。

川田大輔氏 連載「クラウドガバナンス現在進行形」筆者。Cloud Architect。18年にわたり大手ソフトウェア/ハードウェアメーカーでのマーケティング、ITベンチャーでの事業開発、技術開発、技術投資業務を経験し、2009年より現職。

河野省二氏 ディアイティ セキュリティサービス事業部 副事業部長。情報セキュリティ専門家。経済産業省の「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」の作成に従事。

寺田眞治氏 オプト海外事業本部 北京欧芙特信息科技有限公司董事長。新聞社・メーカーのハウスエージェンシー、携帯コンテンツのサイバードの共同設立、三菱商事、インデックス執行役員を経て現職。総務省の各種委員、業界団体の役員などを歴任。総務省の「ライフログ活用サービスにおける配慮原則」作成に参画。

林 雅之氏 国際大学GLOCOM客員研究員。ICT企業勤務。クラウドサービスの開発企画やマーケティングなどを担当。クラウド利用促進機構 総合アドバイザー。連載「エンタープライズクラウドを定義する」を担当。


2011年、印象に残ったクラウドの出来事

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