チェック・ポイント、オフィス環境を持ち運べるセキュアUSB「Check Point Abra」を発表NEWS

在宅勤務者や管理が行き届かない契約社員などに配布することで、安定した生産性を維持しながら情報漏えいや無許可アプリケーションの使用を防止できる。

2010年03月10日 09時00分 公開
[上口翔子,TechTargetジャパン]

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは3月9日、社内のデスクトップ環境を自宅や外出先で仮想的に利用できるUSBメモリ「Check Point Abra」(以下、Abra)を発表した。31日より販売開始し、価格は4Gバイト版が2万2000円、8Gバイト版が3万2000円。

画像 Check Point AbraのサポートOSはWindows 7(32ビット版)/XP(SP2以降)/Vista(SP1以降)

 Abraには、社内PCのデスクトップ環境を仮想的に実現する機能のほか、セキュリティ保護されたネットワーク接続機能、リモート接続機能(VPNクライアント)などが内蔵されている。ユーザーはAbraをPCに接続することで、社内の電子メールや文書作成アプリケーションなど普段使用しているツールにあらゆる場所から安全にアクセスできるという。また、Abra利用時に処理した業務データは暗号化されAbra側に保存されるため、情報漏えいのリスクがない。

画像 Check Point Abraの概要。チェック・ポイントの仮想化技術、VPN、セキュリティ技術にサンディスクの暗号化USBメモリを統合した

 「近年では自宅やリモート環境での勤務形態が増加しており、非業務用PCでの安全な作業環境が求められている。Abraは管理者側で許可したアプリケーション、ネットワーク接続のみ利用可能とするため、自宅で万が一家族がP2P(ファイル共有ネットワーク)にアクセスしたり、インスタントメッセンジャー経由で誤ってファイルを送信してしまうという事態を防ぐことができる」(システム・エンジニアリング本部 SEマネージャ 小高克明氏)

画像 Abra使用画面。許可されたアプリケーションのショートカットが表示され、ユーザーはAbra画面上でアプリケーションを起動することで社内PCのアプリケーションを利用できる仕組みとなっている

 従来、在宅勤務者など外部で業務をする場合には自宅用PCとそれに付随するアプリケーションを企業側で別途用意する必要があったが、Abraはシステム管理用のサーバと利用者分のAbraを用意するだけで利用できるため、コスト削減にもつながるという。同社の既存セキュリティゲートウェイや集中管理機能などのインフラ機器を使用している企業であれば、Abraを購入するだけで早期導入が可能だとする。

 画像 小高克明氏

 そのほか、Abraログイン時には仮想キーボードを使用することでキーロガーによるパスワードのキャプチャーを防止できるなど、セキュリティ対策も強固なものとなっている。パスワードの強度設定や証明書・トークンを利用したマルチフィルタ認証にも対応する。

 小高氏は「持ち運びが便利で、どんなPCでも自分の作業PCにできる。セキュリティ機能も統合しており、費用対効果に優れた製品」と自信をのぞかせた。

ITmedia マーケティング新着記事

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...