ラック単位での集中冷却方式を採用し、サーバ設置スペースを従来のラックマウントサーバの約40%、消費電力を約13%削減することに成功した。
富士通は3月17日、クラウドコンピューティング向けサーバプラットフォーム「PRIMERGY CX1000」の販売を開始した。
PRIMERGY CX1000は、1ラック当たり38サーバノード(38台のサーバ装置)を搭載したクラウド向けサーバプラットフォームだ。サーバ数十台から数千台規模のスケールアウト型システムに適している。ラック単位で冷却する「集中冷却方式」で消費電力やサーバ設置スペースを削減できるほか、シンプルな構造で管理者の運用管理負担を軽減する。
同社によると、集中冷却方式によって、サーバ設置スペースは従来のラックマウントサーバの約40%削減できたという。これは、集中冷却方式ではラック上面に排気するため、ラックの背面同士を合わせた設置が可能になり、従来必要だったラック後方の排気スペース(ホットアイル)を削減できたためだ。また、各サーバノードの構造を見直すことで、専用ラックの単体設置面積を従来のラックの約20%削減できたという。
消費電力についても、従来1ラック当たり300個以上搭載していた冷却ファンをなくし、大型ファン2個でラック全体を冷却する方式のため、従来比で約13%削減できたという。
また、従来はサーバの設置や保守の際に、ラックの前方後方両サイドから作業が発生していたが、PRIMERGY CX1000ではすべてのインタフェースをサーバノードの前面に配置し、サーバノードとラック間の電源を直結して電源ケーブルをなくした。これにより、すべての作業をラック前方から実施でき、管理者の作業工数が減らせる。
CPUは、同日インテルが発表した「インテル Xeon プロセッサー 5600番台」を搭載する。価格は、最小構成(Xeon E55062、HDD非搭載、メモリ2Gバイト×8の構成で、専用ラックに38サーバノード搭載した場合)で1480万円(税別)から。なお、富士通は同製品を同社のクラウドサービス基盤となるデータセンターにも導入する予定。2010年度で100ラック(3800ノード)の販売を計画している。
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