モバイル端末用のセキュリティ製品、導入率が高いのは?企業のモバイル端末活用とセキュリティ課題に関するアンケート調査リポート

企業でのiPhoneやiPadなどのモバイル端末活用状況とそれに伴うセキュリティ課題、導入予定の製品についてTechTargetジャパン会員に聞いた。

2011年02月07日 08時00分 公開
[上口翔子,TechTargetジャパン]

 TechTargetジャパンでは2010年12月6日から19日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「モバイル端末活用状況とそれに伴うセキュリティ課題」に関するアンケート調査を実施した。本稿では、調査結果の一部として「モバイル端末活用(モバイルワーキングの許可)状況」「モバイルワーキングを許可しない理由」「社外利用を許可/許可予定のアプリケーション」「モバイル端末導入で気になるセキュリティ課題」「導入中/導入予定のセキュリティ製品」の結果を取り上げる。

目的:TechTargetジャパン会員のモバイル端末活用に伴うセキュリティ課題を調査するため

方法:Webによるアンケート

調査対象:TechTargetジャパン会員

調査期間:2010年12月6日〜19日

有効回答数:123件(セキュリティ製品の選定、導入に何らかのかかわりがある人のみが対象)

※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


64.2%の企業がモバイルワーキングを許可

 モバイル端末の活用状況については、有効回答数123件のうち64.2%の企業で、モバイル端末を使用して社外から社内(組織)システムへアクセスをする業務形態(モバイルワーキング)を許可していることが分かった。

 また、モバイルワーキングを許可している企業に「社外利用を許可/許可予定のアプリケーション」を聞いたところ、割合が多いのは電子メールの利用で89.9%。利用率が現在は7.6%と最も低いVoIP、IP電話製品は、13.9%が今後利用を許可したいと回答した。特定業種/業務用アプリケーションについても、13.9%が今後利用を許可したいと回答していた。

alt 社外利用を許可/許可予定のアプリケーション(複数回答)

導入に伴う最大の不安は「端末の紛失・盗難」

 モバイルワーキングを許可しない理由は、70.7%が「セキュリティ面の不安」を挙げている。その他「必要性を感じない」「投資対効果が不明瞭」「データ通信料金」も20%以上の割合で選択されていた。

alt モバイルワーキングを許可しない理由(複数回答)

 セキュリティ面の不安について掘り下げて聞いてみたところ、全体の84.6%が「端末の紛失・盗難」に不安を感じていた。企業規模別の違いとしては、大企業で「外部からの不正アクセス」を選択したのは44.7%だったのに対し、SOHOと中堅・中小企業(SMB)は67.1%と、高い数値を示した。一方、大企業は81.6%が「従業員による故意の機密情報保ち出し」を選択しており、ウイルスやスパイウェア攻撃などの外部からの攻撃よりも、どちらかというと内部不正による情報漏えいに脅威を感じていることが読み取れる。

alt モバイル端末導入で気になるセキュリティ課題(複数回答)

ファイアウォールの導入率がトップに

 モバイル端末活用に当たって導入中/導入予定のセキュリティ製品を聞いたところ、導入済みは「ファイアウォール」が1位で46.3%。「モバイル端末用のウイルス対策」「認証サーバ/アクセス管理システム」も39.8%、38.2%と上位に挙げられた。

 導入予定の製品では、「モバイル端末用のウイルス対策」と「シンクライアントソリューション」が共に10.6%で上位となった。次いで認証サーバ/アクセス管理システムと「SSL VPN」が共に9.8%と比較的高い数値を示した。

alt 導入中/導入予定のセキュリティ製品(複数回答)

 なおモバイル端末用のウイルス対策、認証サーバ/アクセス管理システムについては、導入中/導入予定の両項目で高シェアを得ていることから、モバイル端末用のセキュリティ対策として今後も多くの企業が導入を実施・検討しそうである。

モバイル端末活用とそれに伴うセキュリティ課題に関する読者アンケート調査の詳細な結果は以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。

企業のモバイル端末活用とセキュリティ課題に関するアンケート調査リポート

 本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果と共にアンケート回答者の詳細な属性も紹介されているので、ぜひ参照されたい。


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