キャリア形成の一環として、認定資格の取得に励む情報セキュリティ担当者は多い。ただし、資格取得が就職や転職、昇進に直結するという考えは、もはや幻想かもしれない。
情報セキュリティの世界ほど、キャリア構築における認定資格の役割に対する評価が大きく分かれる世界はない。
ベンダー中立の組織や一部のセキュリティベンダーが、収益源になり得る有望なビジネスとして認定資格制度に目を付けるようになってから、認定資格の話題に一層注目が集まるようになった。今日、情報システムのセキュリティ専門家を認定する「CISSP(Certified Information Systems Security Professional)」の取得者は8万人、情報システムの監査専門家を認定する「CISA(Certified Information Systems Auditor)」の取得者は6万人に上る状況であり、認定資格に対する熱狂は一向に収まる気配がない。
企業内で昇進を目指す人々は、認定資格が情報セキュリティのキャリアにポジティブな効果があると信じている。こうした見方は、まさに彼らの自己アピールの対象である企業の採用担当者やセキュリティ部門の責任者たちの間においても検証されつつある。
ただし、多くのリクルーターのアドバイスとは裏腹に、集団から抜きん出るために取得した各種のセキュリティ認定資格が、採用担当者にむしろネガティブな印象を与える場合もある。
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