「Windows Phone 8」の基本的な要素の多くは明らかになっているが、いまだに不明瞭な点もある。Windows Phone 8の命運を左右するかもしれない、こうした「謎」をリストアップする。
前編「Windows Phone 8を買いたくなる5つの事実」では、リリースが目前に迫る米Microsoftの「Windows Phone 8(WP8)」に関して、既に明らかになっている5つの事実を再確認した。後編では、WP8に関して現時点で明らかにされていない5つの謎をリストアップする。
WP8に関する初期のプレゼンテーションや機能のリストでは、「新しいフォームファクター」という表現が頻繁に用いられている(大型ディスプレーに関する説明と同じ箇所の場合が多い)。だが、それが実際に何を意味するのかは、明らかにされていない。
「新しいフォームファクター」が大型ディスプレーを意味するのか、それともキーボードが装備可能といったことなのか、もっと革新的なデザイン(クラムシェル型端末やウェアラブルスマートフォンなど)を意味するのかについて、Microsoftは口を固く閉ざしている。
この謎をさらに深める事実もある。フィンランドのNokia、台湾HTC、韓国Samsungがこれまで発表した端末はいずれも、従来の全てのWindows Phone端末と同じ一体型の大型ディスプレーを搭載しており、標準的なデザインから大きく異なる要素が何も見られないことだ。
Microsoftは、Windows 8やWindows RTを搭載した独自タブレット「Surface」のリリースを間近に控え、米Appleの「iPhone 5」とSamsungの「GALAXY S III」に対抗する自社製のWP8端末を計画しているのではないか――。こうした臆測が盛んに報じられている。もしこれが本当だとすれば、Microsoftは、WP8搭載スマートフォンの開発を託してきたHTCやNokiaといった企業と直接競合する立場に自らを置くことになる。
WP8がリリースされた時点で、Surfaceタイプのスマートデバイスが、他のモデルよりも際立って良く見えるかどうかは不明だ。先行ユーザーたちは、競合モデルを今購入すべきか、しばらく様子を見るべきか悩むことになりそうだ。
WP8では、Microsoftのオンラインストレージ「Windows Live SkyDrive」との連係がさらに緊密になるのは、既に周知の事実だ。一方、iTunesやSpotifyなどの音楽サービスに対抗すべく、Microsoftは2012年10月14日(米国時間)、ストリーミング音楽サービスの「Xbox Music」をWindows 8だけでなく、WP8やiOS、Androidでも利用可能にする計画を発表した。
一方、WP8と、Microsoftのその他のエコシステムとの連係の方針は、依然として謎のままだ。
豊富なアプリケーションの存在は、スマートフォンにとって生命線といえる。だがこれは、Windows Phoneが常にiOSとAndroidに後れを取ってきた分野の1つだ。
Windows Phone 7(WP7)の開発者ベースは、以前から脆弱だった。Microsoftが、Windows Runtimeと最新のハードウェアによって、多くの開発者をWP8プラットフォームに引き付けられるかどうかは、まだ分からない(Windows Runtimeについては「Windows Phone 8を買いたくなる5つの事実」を参照)。
一方、「Nokia Drive」(Nokia Mapsに含まれる音声ガイド付きGPSナビゲーター機能)が全てのWP8端末に搭載されるのは確かだ。これは、WP8の魅力を実感できるアプリケーションの1つである。米Appleの不正確な地図アプリケーションが組み込まれたiOS 6と比べると、なおさらそうだ(参考:死去から1年、Apple最大の敵は「過去のジョブズ氏」)。
WP8の特徴については、多くの情報が流れている。ただし、そのほとんどはMicrosoftが情報源であり、WP8を実際に試した開発者やユーザーからの情報ではない。
また、Microsoftが公表していない機能、まだリークされていない機能が他に存在するかどうかも不明だ。同社はプレス発表会で、メディア関係者がWP8端末のデモ機を操作する際に、OS回りを勝手に触らせないようにしたくらいだ。
要するに、WP8の基本的な部分はかなり明らかになっているものの、今後もサプライズが登場する可能性が多く残されているということだ。
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