ソーシャルメディアの企業活用に課題を抱える企業は少なくない。現状の課題と、有効活用するためのポイントをまとめたホワイトペーパーを3本紹介する。
顧客との関係強化や従業員同士のコミュニケーションの効率化に有効とされるソーシャルメディア。ただし、ソーシャルメディアの企業利用を開始しても、従業員になかなか活用されないなど、想定した効果が得られていない企業も少なくない。ソーシャルメディアの企業利用の課題は何か。有効活用するためのポイントとは。本稿は、TechTargetジャパンに登録されたホワイトペーパーの中から、ソーシャルメディアの企業活用について見直すための材料が詰まった3本をピックアップして紹介する。
「ソーシャルメディア対応に手いっぱい」、世界800人の回答から分かった顧客対応の実際と課題
ソーシャルメディア活用について、世界の企業はどう考えているのだろうか。本ホワイトペーパーは、英誌「The Economist」の関連会社である調査会社Economist Intelligence Unit(EIU)が実施した調査結果を基に、ソーシャルメディアを取り巻く課題を洗い出す。調査は、世界69カ国の経営幹部798人を対象に実施した。
調査結果からは、ソーシャルメディアを使用している回答者が48%と半数近くに上るなど、ソーシャルメディアに対する企業の関心の高さが分かる。一方で、経営幹部の多くは、ソーシャルメディア活用に伴うリスクによって、メリットの大半が薄れてしまうと考える傾向があるという。顧客の批判がソーシャルメディアで急速に広まることに対しては、回答者の40%が懸念を表明。ブランドイメージをコントロールすることの困難さを大きな課題の1つとして挙げたのは34%に達した。
本ホワイトペーパーは、ソーシャルメディアの企業利用に関する専門家のインタビュー内容も掲載。カリフォルニア大学リバーサイド校 A・ゲイリー・アンダーソン経営大学院 経営学教授のDonna Hoffman氏は、「メッセージを常に監視し、それに回答し、一貫性のあるメッセージを伝え、データを分析するには人材が必要となる」と指摘し、ソーシャルメディアにある大量のデータを少人数のチームで管理するのは限界があるとの見方を示す。
本ホワイトペーパーはその他、ソーシャルメディア活用に関する詳細な調査結果を掲載している。
セキュリティの懸念やカスタマイズのニーズなどから、自社独自のソーシャルメディアを構築できる「社内SNS」を導入する企業も少なくない。本ホワイトペーパーは、社内SNS構築を手掛けるオーシャンブリッジが、自社導入事例を通して明らかにした社内SNSの課題と活用のコツをまとめている。
オーシャンブリッジは、2011年2月に社内SNSを導入した。同社は社内のやりとりにメールを利用していたが、受信数が多すぎて重要なメールが埋もれてしまっていたり、添付ファイル容量に限界があるといった課題を持っていた。社内SNSは、メールに変わる主要なコミュニケーション手段として導入したのだ。ただし導入当初は、コメントを投稿していたのは一部従業員だけであり、投稿する人の数も少しずつ減っていったという。
社内SNSの活用が進まなかった最大の理由は、明確なルールを定めていなかったことにあった。従業員には「取りあえずつぶやいてみよう」と呼びかけていたが、こうした曖昧なメッセージでは、一時的に投稿数が増えてもすぐに使われなくなるのだ。
同社は、当初の目的である「メールから社内SNSへの移行」という目的を明確にすることで、活用の促進に成功した。「社内メール禁止」のアナウンスを社内に発し、部門内やプロジェクト内など特定の範囲のやりとりを丸ごと社内SNSへと移行。現在は社内のやりとりにメールを利用することはほぼなくなったという。
ソーシャルメディアの企業活用を進める際、押さえておきたいポイントをまとめたのが、本ホワイトペーパーだ。詳細はホワイトペーパーに譲るが、ソーシャルメディアの活用効果を引き出すためには、以下6つのポイントを意識して実践することが重要になるという。
本ホワイトペーパーでは上記のポイントに関する詳細な解説に加え、米IBMにおけるグローバルでの社内SNSの導入事例も紹介している。例えば日本アイ・ビー・エム(日本IBM)では、社内SNS活用促進の工夫として、架空のキャラクターが簡単な問題を出題し、問題をこなすと代表的な機能の使い方と効果を理解できる仕組みを用意するといった取り組みをしてきたという。
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、ソーシャルメディア企業利用時に参考となる技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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