仮想環境の保護、デスクトップ仮想化――。仮想化関連のホワイトペーパーの中から、2012年に多く読まれた上位10本を紹介する。
TechTargetジャパンのホワイトペーパーダウンロードセンターでは、ITベンダー各社が提供するホワイトペーパーを多数公開している。今回はその中から、2012年にダウンロードされた仮想化に関するホワイトペーパーの上位10コンテンツを紹介する。ランキングからは仮想環境のバックアップやデスクトップ仮想化への関心がうかがえる。
順位 | ホワイトペーパータイトル | 提供企業 |
---|---|---|
1位 | 「プリキュア」の東映アニメが選択、マニュアルいらずのVMwareバックアップ手法とは? | シマンテック |
2位 | 200台のサーバ仮想化、ベネッセのプライベートクラウド構築プロジェクト | 富士通 |
3位 | 仮想マシンは何台集約できる? 最新Xeonサーバの性能と消費電力を徹底検証 | デル |
4位 | VMware仮想環境の構築に成功した中堅・中小企業の共通点 | デル |
5位 | 昔の常識は現在の“非常識”。仮想環境保護の促進のポイントとは? | CA Technologies |
6位 | デスクトップ仮想化の2大製品を、帯域幅とCPU使用率で徹底検証 | ヴイエムウェア |
7位 | 最新! XenDesktopで始めるデスクトップ仮想化入門 | シトリックス・システムズ・ジャパン |
8位 | VMware Viewによるデスクトップ仮想化がもたらす業務効率の向上とは? | ネットワールド |
9位 | VMware ESXi + XenDesktopで始める デスクトップ仮想化入門 | シトリックス・システムズ・ジャパン |
10位 | 間違いやすいVMware環境のバックアップ運用、まずは基礎知識を身に付けよう | EMCジャパン |
1位から10位までを簡単に振り返ってみたい。
仮想環境におけるバックアップ/リカバリは、物理環境とは異なる点が運用上の課題になることが多い。例えば、ゲストOSを保護する際、各ゲストOS上にバックアップエージェントを配置したのではサーバに負荷が掛かる。 また、ライブマイグレーションを実行すると物理/仮想サーバの関係が動的に変化するため、共有ストレージに統合されたデータをどうバックアップするかという点も考える必要がある。企業のこのような課題意識はランキングにも表れた。
2012年、最もダウンロード数が多かったのは「『プリキュア』の東映アニメが選択、マニュアルいらずのVMwareバックアップ手法とは?」だった。このホワイトペーパーでは、東映アニメーションが構築したVMware環境向けのバックアップシステムを紹介している。約80台のサーバをほぼVMwareで仮想化している同社は、従来のイメージバックアップツールを見直し、新たに「Symantec Backup Exec」を採用した。ホワイトペーパーには、同社がSymantec Backup Execを選んだ理由や導入効果が書かれている。
その他、バックアップ/リカバリに関するコンテンツでは、5位の「昔の常識は現在の“非常識”。仮想環境保護の促進のポイントとは?」、10位の「間違いやすいVMware環境のバックアップ運用、まずは基礎知識を身に付けよう」がランクイン。
仮想環境の保護では、仮想マシン全体のイメージをバックアップするのか、ファイルやアプリケーションごとにバックアップするのかなど、何をどの程度バックアップするかによって必要な製品は変わってくる。各企業が定めるバックアップポリシー(目標リカバリポイント、目標リカバリ時間)に合わせて最適な製品を選んでいただきたい。
大企業を中心に導入が進んでいるサーバ仮想化のコンテンツも依然として人気が高い。2位には、プライベートクラウドを視野に200台のサーバを仮想化した事例として「200台のサーバ仮想化、ベネッセのプライベートクラウド構築プロジェクト」がランクイン。ベネッセグループのITサービス会社であるシンフォームは、サーバ仮想化によって消費電力を10分の1に削減することに成功した。サーバ仮想化導入後のパフォーマンスは物理サーバと大差がなかったという。ホワイトペーパーでは、同社が導入したハイパーバイザーやハードウェア製品、プライベートクラウド戦略が書かれている。
サーバ仮想化には物理サーバ台数の削減以外にも多くのメリットがある(関連記事:【導入効果】台数削減だけではないサーバ仮想化のメリット)。そのため、大企業だけでなくサーバ保有数の少ない中堅・中小企業においても有効だ。4位の「VMware仮想環境の構築に成功した中堅・中小企業の共通点」では、2012年に発表されたデル第12世代Power Edgeサーバの機能を中心に、2つの中堅企業の事例を紹介している。また、仮想化に最適なハードウェアに関するホワイトペーパーでは、3位「仮想マシンは何台集約できる? 最新Xeonサーバの性能と消費電力を徹底検証」にも注目だ。
ランキング後半の6〜9位には、デスクトップ仮想化に関するホワイトペーパーが並んだ。導入事例が増えてきているデスクトップ仮想化だが、ランクインしたホワイトペーパーを見ると、製品比較や製品の効果、設定方法など製品情報に関するものが多い。
6位「デスクトップ仮想化の2大製品を、帯域幅とCPU使用率で徹底検証」では、米Principled Technologiesがデスクトップ仮想化製品のパフォーマンステストを実施。デスクトップ仮想化製品としてメジャーな「VMware View 5」と「Citrix XenDesktop 5.5」を2つの条件で比較した。9位「VMware ESXi + XenDesktopで始める デスクトップ仮想化入門」では、VMwareの基盤でXenDesktopを動作させるための設定方法を解説している。ユーザー企業におけるサーバ仮想化ではVMwareのシェアが圧倒的に多いため、こうしたホワイトペーパーは役に立つだろう。
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、仮想化に関する技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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