OracleがSolaris 11.2を発表! だがSolarisとSPARCの将来性は……?「完璧なプラットフォームだ」と自画自賛だが

米OracleがSolaris 11.2のβ版をリリースし、ダウンロード可能になった。「完璧なプラットフォームだ」と自画自賛する同社だが、SolarisとSPARCへの投資を継続するのだろうか?

2014年06月26日 08時00分 公開
[Cliff Saran and Archana Venkatrama,Computer Weekly]
Computer Weekly

 米OracleはSolaris 11.2のβ版をリリースした。しかし、SolarisとサーバプラットフォームであるSPARCに将来性があるのだろうか?

 Oracleの説明によると、この新しいOSは効率の良い仮想化、アプリケーション主導型のSoftware-defined Networking(SDN:ソフトウェア定義ネットワーク)およびOpenStackをサポートする、「モダン」なクラウドプラットフォームとして構築された。

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 「Oracle Solaris 11.2は、OS、仮想化、SDN、OpenStackをエンジニアリングによって統合した、完成度の高いクラウドソリューションとなった」と語るのは、Oracleのシステム担当副社長ジョン・ファウラー氏だ。

 「完璧なプラットフォームだ。単純で、効率がよく、セキュアで、各種の基準に対するコンプライアンスもクリアしている、オープンな大規模組織向けクラウド環境だ。顧客のビジネスの加速を促進し、クラウドコンピューティングの可能性を活用すると同時にコストも削減する」(ファウラー氏)

 UNIX OSの1つであるSolarisには、Oracle Database、Java、Oracle Applicationsとの統合機能がある。

 Solarisの最新バージョンの発表と、SolarisのプラットフォームとしてのSPARCサーバの進化は、Oracleが米Sun Microsystemsを4年前に買収して以来、研究開発に対して投資してきたことの成果だ。「Oracleの製品およびサービス全体に対する研究開発には、2013年だけでも50億ドル投資し、その大部分をサーバとOSの分野に注ぎ込んだ」と、Oracleのハードウェア販売担当の副社長、ギャヴィン・ディモック氏は語る。

 Solarisの新バージョンに関するOracleの戦略は、インフラストラクチャを統合し、プライベートクラウドの導入を進める企業のIT部門を支援して、ハイブリッドIT環境への移行を促すというものだ。「当社はソフトウェア、ハードウェア、チップセット、OS(Solaris)を所有しているので、大企業が自社用のクラウドインフラを容易かつ迅速に構築するのを支援できる」とディモック氏は語る。

 2013年のOracleのサーバ戦略やSPARC T5サーバシステムの可用性に関して、米調査会社のForrester Researchでディレクターを務めるリチャード・フィチェラ氏は、自社ブログで次のように述べている。「Oracleは明らかに、SPARCについて予告していたことを実現した。また、同社はSolaris OSテクノロジーばかりか、SPARC CPUやシステム設計への投資も継続している。SPARC T5および近々発表されるSPARC M5は、SPARCテクノロジーの進化がもたらした最新の成果だ。(元Sun Microsystems出身の)Oracleのリック・ヘザーリントン氏が2010年にこの進化と設計の試みに着手したが、それは現在も続いている。進化とはすなわち、SPARCコアの共通セットが徐々に進化していること、基本的なアーキテクチャ(を変えなかった)の半面、コア数、スレッド、キャッシュに変化をつけることによって他社との差別化を実現したことが挙げられる。また、コアとシステムのスケーラビリティについて、数年かけてパフォーマンスを改善した点も頼もしい」

 一方、米調査会社Gartnerのアナリストは、OracleがSPARCプラットフォームとSolarisにどれほど長く注力できるかどうかについて、慎重な見方を示している。

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