米OracleがSolaris 11.2のβ版をリリースし、ダウンロード可能になった。「完璧なプラットフォームだ」と自画自賛する同社だが、SolarisとSPARCへの投資を継続するのだろうか?
米OracleはSolaris 11.2のβ版をリリースした。しかし、SolarisとサーバプラットフォームであるSPARCに将来性があるのだろうか?
Oracleの説明によると、この新しいOSは効率の良い仮想化、アプリケーション主導型のSoftware-defined Networking(SDN:ソフトウェア定義ネットワーク)およびOpenStackをサポートする、「モダン」なクラウドプラットフォームとして構築された。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 6月18日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
「Oracle Solaris 11.2は、OS、仮想化、SDN、OpenStackをエンジニアリングによって統合した、完成度の高いクラウドソリューションとなった」と語るのは、Oracleのシステム担当副社長ジョン・ファウラー氏だ。
「完璧なプラットフォームだ。単純で、効率がよく、セキュアで、各種の基準に対するコンプライアンスもクリアしている、オープンな大規模組織向けクラウド環境だ。顧客のビジネスの加速を促進し、クラウドコンピューティングの可能性を活用すると同時にコストも削減する」(ファウラー氏)
UNIX OSの1つであるSolarisには、Oracle Database、Java、Oracle Applicationsとの統合機能がある。
Solarisの最新バージョンの発表と、SolarisのプラットフォームとしてのSPARCサーバの進化は、Oracleが米Sun Microsystemsを4年前に買収して以来、研究開発に対して投資してきたことの成果だ。「Oracleの製品およびサービス全体に対する研究開発には、2013年だけでも50億ドル投資し、その大部分をサーバとOSの分野に注ぎ込んだ」と、Oracleのハードウェア販売担当の副社長、ギャヴィン・ディモック氏は語る。
Solarisの新バージョンに関するOracleの戦略は、インフラストラクチャを統合し、プライベートクラウドの導入を進める企業のIT部門を支援して、ハイブリッドIT環境への移行を促すというものだ。「当社はソフトウェア、ハードウェア、チップセット、OS(Solaris)を所有しているので、大企業が自社用のクラウドインフラを容易かつ迅速に構築するのを支援できる」とディモック氏は語る。
2013年のOracleのサーバ戦略やSPARC T5サーバシステムの可用性に関して、米調査会社のForrester Researchでディレクターを務めるリチャード・フィチェラ氏は、自社ブログで次のように述べている。「Oracleは明らかに、SPARCについて予告していたことを実現した。また、同社はSolaris OSテクノロジーばかりか、SPARC CPUやシステム設計への投資も継続している。SPARC T5および近々発表されるSPARC M5は、SPARCテクノロジーの進化がもたらした最新の成果だ。(元Sun Microsystems出身の)Oracleのリック・ヘザーリントン氏が2010年にこの進化と設計の試みに着手したが、それは現在も続いている。進化とはすなわち、SPARCコアの共通セットが徐々に進化していること、基本的なアーキテクチャ(を変えなかった)の半面、コア数、スレッド、キャッシュに変化をつけることによって他社との差別化を実現したことが挙げられる。また、コアとシステムのスケーラビリティについて、数年かけてパフォーマンスを改善した点も頼もしい」
一方、米調査会社Gartnerのアナリストは、OracleがSPARCプラットフォームとSolarisにどれほど長く注力できるかどうかについて、慎重な見方を示している。
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 6月4日号:あなたの会社がグリーンピースの標的になる日
Computer Weekly日本語版 5月21日号:クラウド業界に挑戦状を叩き付けたGoogle
Computer Weekly日本語版 5月7日号:PC産業にイノベーションは残っているか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
デジタルファーストの世界が到来し、技術的なニーズが高まる一方、ITサービスとIT運用がサイロ化し、イノベーションの妨げになっているケースは少なくない。この問題を解消するための「3つのアプローチ」とは?
世界的な混乱によりビジネス環境が厳しさを増す中、企業が生き残るにはレジリエンスと事前対応力が重要になる。ITサービスと運用においても見直しが求められ、生成AIや自動化による組織運営の効率化が必要とされている。
近年、SaaS利用が加速する中、「誰がどのサービスを使っているのか不明」「退職者のアカウントが残っている」といった管理上の問題が顕在化している。そこで本資料では、SaaSのアカウント管理を効率的に行う方法を紹介する。
今日、企業は俊敏かつ継続的なサービスを求められており、顧客離れやブランド価値の毀損につながるシステム停止は絶対に避けるべき要件となっている。そこで重要となるのが、データ保護とBCDR(事業継続性とディザスタリカバリー)である。
組織経営の存続を左右する「システム障害」だが、これまではその対策を単なるコスト要因と見なす風潮が強かった。しかし新世代のビジネスリーダーたちは重大な経営課題としてシステム障害に向き合い、さまざまな対策を実践しているという。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。