かつて企業内ではニッチな存在だったMacが導入されるケースも増え、Windows前提の企業システムやIT部門は変化を迫られている。本稿では、企業におけるMac利用に寄与するツールを多数紹介する。
米Appleの製品はかつてニッチな存在だった。だが消費者の選択により、企業内での使用も広がり始めている。
ほんの少し前までは、Appleのコンピュータを社内で管理するという考え方は困惑を持って迎えられ、「マーケティングに使う数台のデスクトップなど気にする必要はない」と、取り合われることはなかった。Appleのデバイス(とりわけデスクトップPC)は高価でアプリケーションの種類も少なく、デザイン、写真、動画編集などクリエイティブな用途に最適だと考えられていた。
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Apple製品はその使いやすさからしばしば市場の先を進んでいるといわれてきた(「Appleユーザーが『Windows 98』を何と呼んでいるか知っているか? 『Mac 89』だ」という古いジョークもあるくらいだ)。だが、実際のユーザーが求めていたのはアップグレード、カスタマイズ、ドライバのインストールが可能なコンピュータだった。でも、もはやそのような時代は終わった。
ある中規模電力会社が最近行った社内調査によると、3分の2以上の従業員が好きなコンピュータとしてAppleの「Mac」を選んだという。さらに、モバイルITのコンシューマライゼーションとBYOD(私物端末の業務利用)のトレンドが相まって、組織におけるAppleデバイスの数はかつてないほど急速に増加している。
現在でも、多くのIT部門が大量のデスクトップPCとノートPCを制御しなければならないという課題を抱えている。最近Windows XPのサポートが終了したが、管理の対象には恐らくさまざまなバージョンのWindowsが含まれる。そこにAppleデバイスというさらなる課題が加わる形だ。また、その他のモバイルデバイスやOSも加わり、混乱の度合いは増す。ただし、多様なモバイルプラットフォームをサポートするツールが登場しようとしているのも事実だ。
Appleには「OS X」と「iOS」という2種類の主要OSがある。前者のアップグレードコストは従来のPCよりも安い。実際、Appleの顧客は最新の「OS X Yosemite」を無償で使える。またOS XはUNIXベースなのでシステムを堅実に実行、管理する。
iPadやiPhoneのOS(iOS)はOS Xと同じ基本フレームワークを共有するが、デバイスに応じてそれぞれ対応状況が異なる。例えば、タッチ操作を考慮してユーザーインタフェースに変更が加えられていたりする。また、UNIXとの完全な互換性を妨げる制約や制限もある。これらはコンシューマーを念頭において設計および最適化されているため、企業で導入と管理を行う場合は対処しなくてはならない課題となる。
数台しかなかったMacが企業に広く展開されるのは大きな変化だ。OS Xのセットアッププロセスは、別のシステムから設定を移行するために「移行アシスタント」を使用する。これは簡単だが、複数のコンピュータで同時に実行することができない。大規模な展開では通常、全てのハードウェアで使用およびインストールする企業の標準イメージが必要になる。
Appleの企業管理エコシステムはWindowsなどに遠く及ばないが、検討に値する優れたツールも幾つか存在する。まず、AppleはOS X Serverの「NetInstall」(「Server Admin Tools」の後継)に基本的なイメージ管理機能を幾つか含めている。他にも、ユーザーの管理、共有、バックアップなどを実行するツールもある。
無償のツールも利用できる。例えば、
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