課題は山積みだが……
「セキュリティ対策に100%の自信」、“ドヤ顔”企業の実態は?
米Fortinetの最新の研究報告から、企業は包括的なセキュリティ手法は欠くものの、セキュリティ対策に対して強い自信を持っていることが分かった。
米Fortinetの報告書は、セキュリティ担当幹部の過半数がデータ漏えいを防止する自社の能力について、いまだに高い自信を持っていることを明らかにした。だが、その一方で、そうした企業が、高度化しつつある新たな脅威に対して効果的な防衛手段を持たないことも示している。
Fortinetによると、調査対象企業の66%は、セキュリティ対策に関して「非常に自信がある」(38%)、「100%自信がある」(28%)としている。一方、同じ調査で、セキュリティ担当幹部たちの29%は、2015年の最も重要なセキュリティ課題として、高度な標的型持続攻撃(APT)の防御、検出を挙げている。同様に重要なセキュリティ課題としては、次世代ファイアウォール(NGFW)とモバイルデバイス管理(MDM)の整備も挙げられている(合わせて28%)。
この報告書は、CSO Strategic Marketing Servicesが企業のネットワークセキュリティに責任を持つ250人のIT管理職を対象に実施した調査に基づく。調査対象企業の大多数が“現行のセキュリティ手法に自信過剰”であることを浮き彫りにした。報告書は、「これほど多くの幹部(全体の4分の3)がAPT対策や次世代ファイアウォールの整備を最優先課題とみていることと、これほど多くの同じ人々(3分の2)が事故や漏えいを防止するための対策は万全だと考えていることには、かなり大きな乖離がある」としている。
さらに報告書は、セキュリティ担当幹部の36%がサイバーアタックから顧客情報を保護することに最も強い関心を持ち、22%がシステムの可用性/事業継続性にも強い関心を持っていることを示している。一方、知的財産や従業員データに関しては、それぞれ13%、11%の回答にとどまり、相対的に優先度は低かった。
Fortinetはこうした点を踏まえ、NGFWやMDMなどの重要なセキュリティツールを持たず、従業員データや知的財産を保護できないなら、自社のセキュリティ対策に自信を持つべきではないとしている。
「この矛盾を考えると」と同報告書は書く。「回答者たちは脅威の発生を防ぎ、損失の可能性を回避する能力について、予想外の、そして恐らくは非現実的な強い自信を持っているのかもしれない」
Fortinetの上級セキュリティストラテジスト、アーミア・ラカニ氏は、情報セキュリティ手法に関して企業はエンドポイントに注意を払うだけでなく、もっと包括的な視点を持つ必要があると話す。
「そこにある問題は、攻撃がセキュリティの一部分だけを狙うようには設計されていない点だ」とラカニ氏は指摘する。「それはまさにFortinet設立当初からのモットーだが、エコシステムを見よ、である。周辺やファイアウォールやエンドポイントだけでなく、全てを見なければならない」
自信過剰の反対もある。回答者の26%はセキュリティの自信レベルについて50/50とし、5%が「それほど自信はない」としている。一方、全体の3%はデータ漏えいやサイバー攻撃に対して「自信ゼロ」と回答、「以前発生したことがあり、また発生するだろう。たとえ努力しても、こればかりは防ぎきれない」としている。
ただ、幾つか明るい兆しも見える。報告書によると、2014年、企業はセキュリティ対策について少なくとも部分的に外部に助けを求めたり、アウトソーシングへ向かい始めたという。同報告書によると、好ましいネットワークセキュリティの導入方法について、回答者の27%がオンプレミス管理サービスとする一方、25%はベンダークラウドサービスとしている。
「企業は、今よりもっと高度なセキュリティ専門性を必要としているが、自社のネットワーク対する究極の責任を投げ出すつもりはないようだ。それはよい傾向といえる」
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