ITリーダーたちに聞く「Windowsエコシステムから脱却すべきか?」「企業のWindows離れ」はあるのか

英Computer Weekly主催イベントで、「Windowsに代わるものは何か」というテーマで各社ITリーダーが考えを披露した。Windowsエコシステムからの脱却は現実的なのか?

2015年05月28日 08時00分 公開
[Clare McDonaldComputer Weekly]
Computer Weekly

 ユーザーが(ITを使いこなす)力をつけてきたために、企業の経営者は自社のIT展開戦略を再考せざるを得なくなっている。従業員がモビリティ、コラボレーションなどの最新テクノロジーを要求するようになったからだ。旧来のシステムをアップグレードする必要性に迫られて、将来の社内システムを支えるソフトウェアやハードウェアの選定に取り掛かっている企業に対して、さらに新たな課題が突き付けられている。

Computer Weekly日本語版 5月20日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 5月20日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 Computer Weeklyが主催したCW500 ClubミーティングにITリーダーたちが集まり、こうした課題に企業はどう取り組めばいいのか、次世代の企業ITはWindowsエコシステムから脱却するのか否かなどを話し合った。

 「Windowsに代わるものは何か」という問いを掲げて、各種資格を認定する機関のCity & Guilds、銀行業のMetro Bank、英国政府機関のGovernment Digital Service(GDS)などの組織から代表が登壇し、それぞれの立場から考えを披露した。

サービスへ移行する風潮

 City & GuildsのITディレクター、イアン・ターフリー氏は、柔軟性を要求するユーザーの声が高まっているために、従来のシステムに代えてサービス指向のアーキテクチャを導入することを検討している企業や組織が増えていると話す。

 「われわれの現在の業務に適しているという観点から、全てがモノリシックなERPシステムよりもサービスに注目している。特に気になるのは、本当に必要なサービスはどんなものか、ということだ」と同氏は語る。

 157年前に設立された歴史ある同団体は、2000年代にSAPシステムをベースとして構築したITシステム、つまりもはや時代遅れとなった従来型のデスクトップPCと通信システム、バックオフィスシステムが緊密に統合された業務システムを運用していたと、ターフリー氏は説明する。

 この問題を解決すると同時にスタッフの要求にも応えるために、同団体は仮想デスクトップシステムに移行した。これで、スタッフはオフィス以外の場所からリモートで作業を進められるようになった。複数のサービスを採用して構築したアーキテクチャに移行したので、スタッフはホットデスキング(デスクやデバイスを複数名で共有)が可能になり、仮想内線電話も利用するようになった。また、外出しているスタッフについても、連絡を受け付ける状態かどうかなど、各自の状況が分かるようになった。

 サービスはオンプレミスからハイブリッドクラウドへと移行した。さらに、段階的にクラウドサービスへの移行を進めている。ただしこの一連の移行によって、事業で利益を上げなければならない。

 「例えばビデオ会議、デスクトップへのアクセス、情報共有、コラボレーションなどのコモディティ化したITは(システム移行中であっても)もちろん使えないと困る」とターフリー氏は語る。

 サービスがクラウドへの移行を開始したときに、アクセスの問題が発生することが予想される。ここで重要なのは、帯域幅を確保してオフラインでもユーザーが望む通りの作業を継続できて、作業場所にも制約がない環境を実現することだ。

ニーズを満たすWindows

 「米Microsoftの製品(Windows)が、われわれの将来のニーズも満たしていることを考慮すると、この製品をリプレースする必要があるだろうか。正直なところ、事業の観点からわれわれが出した答えは『ノー』だ」と、ターフリー氏は主張する。

 柔軟性とモビリティに関する職員のニーズを満たしている限り、事業運営上の需要は満たしているのだから、Windowsエコシステムを捨てて他に移行する理由がない、というのが同氏の言い分だ。

 英国Metro BankのITサービスデリバリー部門の責任者を務めるデイビッド・ヌデルマン氏も、この見方に同意を示す。ただしMetro Bankの場合、同様の課題に直面している他社の多くとは状況が異なる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

製品レビュー グーグル合同会社

重要なエンドポイントを守る、Chromeブラウザを企業向けに安全性を強化する方法

世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。

製品資料 グーグル合同会社

Chromeの拡張機能:企業における今求められる管理戦略とは

Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。

製品資料 arcserve Japan合同会社

データの保全・保護・復旧を全方位でカバーするバックアップ戦略とは?

データ活用が企業の命運を握る今日にあって、絶対に避けなければならないのがデータの損失だ。本資料では、ビジネスクリティカルな状況下でデータの保全・保護・復旧を可能にするバックアップソリューションを紹介する。

製品資料 arcserve Japan合同会社

自社に必要な機能だけを選び、最適かつ効率的なバックアップ環境を構築する方法

データのバックアップに求める機能は、企業によってさまざまだ。必要な機能だけを選択して導入することで、無駄なく効率的なデータ保護が可能になる。そこで注目されているのが欲しい機能だけを搭載できるバックアップ/リカバリー製品だ。

製品資料 arcserve Japan合同会社

運用を大幅に軽減し、多様なニーズに対応するバックアップ対策とは?

データバックアップは、安定した経営を維持し、災害やサイバー攻撃のリスクから業務を守るために不可欠である。とはいえ、自社に最適なバックアップ手法の確立は簡単なことではない。豊富な機能を備えているソリューションに注目したい。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITリーダーたちに聞く「Windowsエコシステムから脱却すべきか?」:「企業のWindows離れ」はあるのか - TechTargetジャパン システム運用管理 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ゥ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ュ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ー

2025/05/06 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...